特集:ケータイ Watch20周年

【今日は何の日?】ドコモと工学院大が「モバイル空間統計」の共同研究を発表した日

2020年4月10日、本誌「ケータイ Watch」は、創刊20周年を迎えることができました。20周年となる2020年度、本誌では、日々「これまでの20年」を振り返ってまいります。

 2010年11月17日は、NTTドコモが工学院大学と「モバイル空間統計」の共同研究の開始を発表した日です。

 モバイル空間統計とは、携帯電話の通信を利用して作成する人口の統計情報です。地域や時間ごとに任意の地域の年齢層や性別、居住区などのカテゴリーに別れた分布図を作成できます。利用するデータは位置情報や年齢、性別のみですから名前や電話番号といった個人情報はわからない形に加工されています。

 2010年11月に発表されたのは、モバイル空間統計を活用した災害発生時における帰宅困難者数の予測でした。このほかにも東京大学と千葉県柏市における都市計画での利用における研究なども行っていましたがこの後、2011年5月にはどちらの利用ケースでもモバイル空間統計は有用であると発表しています。

モバイル空間統計 人口マップのイメージ

 つい最近も、今般の新型コロナウイルス禍においてドコモでは、モバイル空間統計による人流データを公開。さらに、最短で1時間前の任意の地点における人口分布を確認できる「モバイル空間統計 人口マップ」が2021年3月末まで限定公開されるなどの取り組みも行われてきました。

 地震や台風など災害大国である日本ですが、我々ユーザーとしては万が一に備えておく一方、行政や企業にはこうした便利なツールを活用して、万が一の際のリスク軽減への取り組みを今後も期待したいところです。