iPhone駆け込み寺
「iPhone 12/12 Pro」カメラ速攻レビュー
iPhone 7/11 Proと比べてみた
2020年10月22日 00:00
23日に発売される「iPhone 12」「iPhone 12 Pro」。そのカメラについて、実写作例を交えて解説しよう。
今回は被写体などを用意する十分な時間がなかったため、しっかりとした比較作例になっていないが、そこはご了承いただきたい。
なお、ここでは比較機種として昨年モデルのiPhone 11 Proと2016年モデルのiPhone 7を用いた。
メインの広角カメラ
iPhoen 12/12 Proの広角カメラに画質の違いは感じられなかった。
iPhone 11 Proの広角カメラと比べると、大きな変化はないように見える。ただ拡大してみると、たとえばビル壁面の色味が若干違い、今回の作例では、iPhone 12と比べ、やや青が強い仕上がりとなった。
一方、iPhone 7のカメラと比較すると、ディティールやノイズの少なさなど画質全般でiPhone 12/11の方が明らかに優れていると感じられる。
なお、発売がやや遅いこともあり、まだ実機を入手できない「iPhone 12 Pro Max」は広角カメラが強化されている。
とくにデジタルカメラにとっては重要なセンサーサイズが大型化しているので、画質向上が期待できる。実際の画質にどのくらいの影響があるかはまだ不明だが、メインとなる広角カメラの画質にこだわる人は、3週間ほど待ち、「iPhone 12 Pro Max」のレビュー記事などを見てから買い換えを検討すると良いだろう。
望遠カメラもiPhone 11 Proと同等画質。デジタルズームに比べるとかなり高画質
iPhone 12 Pro/12 Pro Maxは望遠カメラを搭載する。iPhone 11シリーズと同じ構成だ。iPhone 12 ProとiPhone 11 Proの望遠カメラを比較すると、これもメインのカメラ同様、画質に大きな違いは感じられなかった。
しかし望遠カメラを搭載していないiPhone 12のデジタルズームと比較すると、iPhone 12 Pro/11 Proの光学ズームの方が明らかに画質が優れている。当たり前ではあるが、ズームを多用し、その画質を重要視する人は、Proモデルを検討するべきだろう。
なお、今回実機のない「iPhone 12 Pro Max」は望遠カメラの倍率が2倍から2.5倍になっている。ちょっとだけ寄りの絵が撮れるようになっている。といっても、2倍でも52mm相当、2.5倍でも65mm相当なので、デジカメに慣れた人にとっては、望遠としてはやや物足りない倍率とも言える。
撮ってて楽しい超広角カメラ
iPhone 11シリーズと同様にiPhone 12シリーズも超広角カメラを搭載する。iPhone 11 ProとiPhone 12/12 Proで明確な違いは感じられなかった。
ちなみに超広角カメラの映像は、拡大してみるとメインカメラよりもディティールがやや甘くノイズも目立つ。普段は広角、ダイナミックな風景などでは超広角、といった使いこなしが良さそう。
超広角カメラは、iPhone XS以前のモデルには搭載されていない。XS以前からの買い換えだと、大きな新機能と言える。作例を見ての通り、パノラマとも違う広がりのある写真が撮れるので、iPhone 12に買い換えたらいろいろ試してみることをオススメしたい。
暗所の撮影機能も大きな進化ポイント
夜景や屋内など暗所の撮影性能は、ここ数年のスマートフォンカメラで重視されているポイントだ。iPhoneではiPhone 11でナイトモードを搭載するなど、暗所撮影機能が強化されている。
ナイトモードは1秒程度の露光をしてノイズの低い画像を作り出すモード。露光中はiPhoneを動かせないが(といっても手持ちで十分な程度)、肉眼でもツラいというような暗所でも明るく撮影できる。
作例のシーンではナイトモードが必要なほど暗くなかったが、それでもiPhone 7に比べると、ディティールもノイズも大きく改善されているのがわかる。ここは古いモデルから買い換えると大きく変わるポイントだ。一方でiPhone 11 Proと比べると、そこまで大きな変化はない。より暗い場所で、LiDARスキャナーを活用できるようなポートレートの場面などでは違いが出そうだ。
なお、iPhone 11シリーズは超広角カメラでナイトモードを使えなかったが、iPhone 12シリーズでは全カメラでナイトモードを利用できるようになり、さらに後述のポートレートモードでもナイトモードを使えるようになっている(等倍時のみ)。
ポートレートモードはiPhone 11と同等。Proは画角切り替えも可能
ポートレートモードは2つのカメラの映像から被写体までの距離を測定し、被写体の背景をぼかしたり、照明効果を付け足したりするという機能だ。iPhone 12/11シリーズはいずれのモデルもデュアルカメラかトリプルカメラなので、ポートレートモードを利用できる。
画質は、もともとiPhoneのポートレートモードが苦手としてきたガラスのコップの輪郭がややハッキリと写すことができた。といっても、このあたりは撮影ショットごとにも差が出るので、ハードウェアの進化による差なのかどうかは、今回のレビューではハッキリしないところだ。もっと作例を重ねて、LiDARスキャナーの威力を感じたい。
ちなみにこれまでiPhoneのポートレートモードはガラスのコップが苦手で、コップの輪郭がぼやけがちだ。ガラスの向こうだけボケないなんてこともあった。今回撮影した作例を見ると、、iPhone 12 Proでは、コップの向こうのキーボードがきちんとボケているようにも見える。
望遠カメラを搭載するProモデルは、ポートレートモードのデフォルト画角が2倍となるが、等倍にも切り替えられる。一方、iPhone 12/11は望遠カメラを搭載しないため、画角は等倍から切り替えられない。逆にiPhone XS以前の望遠+広角のデュアルカメラモデルでは、ポートレートモードの画角は2倍で固定となる。
iPhone XR/SE(第2世代)など、A12以降のプロセッサーならば、シングルカメラでもソフトウェア処理で背景をぼかせるが、そちらは人物の背景に限られ、今回の作例のような卓上の小物とかには適用できない。もちろん「ポートレート」とは肖像画という意味なので、人物以外に適用する方が本来は邪道なのかもしれないが、食べ物など、iPhone 12シリーズのポートレートは幅広く使えるとも言えそうだ。