レビュー
「ZenFone Zoom」ファーストインプレッション
「ZenFone Zoom」ファーストインプレッション
光学3倍ズーム搭載で見えない何かが見えてくる?
(2016/2/2 12:00)
ASUS JAPANが2月5日より販売を開始するSIMロックフリーのAndroidスマートフォン「ZenFone Zoom」(ZX551ML)。スペックの詳細については発表時の記事を参照いただきたいが、発売を前に最上位モデルとなるプレミアムレザーの128GBモデルを入手したので、今回はそのファーストインプレッションをお届けする。
パッケージの開封前から漂うオーラ
まず、驚かされるのは、パッケージの工夫である。これまでのZenFoneシリーズのパッケージは必要最小限のサイズとなっていたが、ZenFone Zoomでは高級感が漂う。前面には最大の特徴となるカメラ部を連想させるリングがデザインされている。箱を開けると、端末背面のカメラが目に飛び込んでくるような仕掛けになっており、カメラ機能に対する並々ならぬ思いが伝わってくる。
続いて端末本体と並んで目に入るのは、本革ストラップ。海外端末の多くにはストラップホールが存在しないが、カメラとしての利用を意識してか、端末の左下の角にストラップホールが設けられている。ストラップで自分なりのアレンジを楽しみたいと思うユーザーにとっても、ネックストラップで首からぶら下げたいと思うユーザーにとっても、うれしいポイントだろう。
端末を手にした感覚としては、ZenFone 2の約170gから約185gへと重さが増しているが、さほど重くなった感じはしない。それ以上に、削り出しのアルミボディや、本革レザーの背面カバーのおかげで、質感が大幅に向上している。
もっとも、片手持ちで操作しようとすると、カメラのレンズ部に指がかかる場合があり、せっかくの良いカメラが指紋でベタベタになってしまい、ちょっと悲しい。ストラップホールにはクリーナーをぶら下げておきたい。
光学3倍ズームをスリムなボディに実装
ZenFone Zoomの名前の由来となるのは、光学3倍ズームカメラ。画素数は13メガピクセルとなっており、20メガピクセル超のハイエンド端末のセンサーと比べると、スペック的には若干見劣りしてしまうかもしれないが、HOYA製のズームレンズユニットを採用した光学ズームに加え、光学手ぶれ補正やレーザーオートフォーカスといった機能でその差を補っている。
光学ズームや光学手ぶれ補正といったテクノロジーは、日本においてはフィーチャーフォンの時代から搭載端末が存在していただけに、それ自体にはさほど珍しさは感じないが、大きな出っ張りもなく、スリムなスマートフォンに実装してきた技術力の高さは評価できるだろう。やはり光学ズームがあると、そばに近寄れない被写体もきれいに撮影できるので、応用範囲が広がる。
カメラにこだわっているだけあって、端末側面のシャッターキーの長押しでスリープ状態からでも直接カメラ機能を呼び出せるようになっており、思い立ってサッと撮影したい場合に便利だ。
ただ、片手で持ってシャッターキーを押そうとすると、親指の付け根(母指球)でバックキーが反応してしまい、ホーム画面に戻ってしまうことが度々起きる。右手側にシャッターキー、左手側にズームキーがあることを考えると、基本的には両手で持って使えということだろう。
そつなくまとめられたカメラスマホ
使い込んでいった際に気づく箇所については、また改めてご紹介できればと思うが、使用感としては至って快適で、Z3590(2.5GHz、クアッドコア)、4GB RAMといったスペックは伊達ではない。
気になるとすれば、32GBストレージのスタンダードモデルで4万9800円、最上級のプレミアムレザーモデルで6万8800円という販売価格だろう。搭載されているデバイスのスペックや採用されている素材からすれば妥当な価格とはいえ、気軽にポチッと購入できる金額感ではないのも確か。それだけに、購入前に一度は実機を手に取って、重さや質感、操作性などを確認していただきたい。
やや大き目のサイズ感が気になるというユーザーに対しては、ホームキーのダブルタップで片手モードに切り替える機能が用意されているなど、気の利いた小ワザがたくさん搭載されているのもZenFoneシリーズの特徴。複数のAndroid端末を併用しているユーザーからすると、Google PlayのマイアプリのリストがZenFone関連アプリで埋め尽くされてウンザリするという面も無いではないが、好意的に解釈すれば、それだけ熱心にアプリを含めたスマホの世界観を構築しようと努力している姿の表れとも受け取れる。
とにかく、一にも二にもカメラな端末なので、店頭で実機に触れる機会があるようなら、ズーム機能での撮影を試していただきたい。