レビュー
「OPPO Pad Neo」レビュー 特徴的な白銀比ディスプレイでコンテンツビューアーとして優秀なタブレット
2025年1月24日 00:00
近年はサムスンやシャオミが積極的に日本でも展開し始めているものの、Androidタブレットは、スマートフォンと比べて、圧倒的に選択肢が少ない。特に売れ筋のミッドレンジ帯は、コスパを追求する必要があるためか、メーカーの特色を出しにくいのが難点でもある。
そんな中、OPPOの新タブレット「OPPO Pad Neo」は、独特なディスプレイ比率を採用することで、本製品ならではの使い勝手を実現した製品。1カ月ほど製品を試せたので、その使用感について紹介していこう。
11.4インチディスプレイは7:5の白銀比を採用
冒頭でも触れた通り、OPPO Pad Neoの最大とも言える特徴が、アスペクト比7:5、いわゆる白銀比を採用している点だ。解像度は2.4K(2408×1720)で、リフレッシュレートは最大90Hzとなる。液晶ディスプレイであるため、有機ELパネルと比較すると、色表現の深みは若干劣る印象もあるが、使っていて特別気になるほどではない。
白銀比は、A4用紙、B5用紙といった、多くの紙資料にも採用される比率。そのため、PDFファイルなどを閲覧する際に、画面いっぱいに、過不足ない状態で資料を映し出せるのが、OPPO Pad Neoの魅力となる。
特に本体を縦に持った場合、PDFファイルが一面に欠けなく表示できるのが便利なポイント。書類への書き込みといった用途を考えれば、専用ペンなどもあると嬉しかったが、ミッドレンジのタブレットであることを考えれば、ここは妥協するべきポイントなのかもしれない。背面に800万画素のカメラを搭載しているため、紙の資料をスキャンし、そのままデジタル化するといった使い方も便利だ。
PDFファイルの表示はもちろんだが、個人的には、白銀比のディスプレイが、電子書籍の閲覧に適したアスペクト比だと感じている。縦幅が広いので、テキストや絵が潰れることなく表示でき、漫画、小説、雑誌などあらゆる書籍の閲覧が快適に行える。
動画視聴も快適ではあるが、16:9で作られている動画の場合は、画面上下に黒帯が入る。慣れれば気になるほどではないが、あらかじめ押さえておくべきポイントだろう。Dolby Atmos対応のクアッドスピーカーを備えており、音圧も出せるので、動画視聴用デバイスとして使うのも、十分実用的だと感じる。
ベゼルはタブレットとしては極端に太いわけではないが、スマートフォンに慣れているユーザーからすると、少し違和感を覚えるかもしれない。とはいえ、タブレットは両手で持つことが多いため、親指を置く位置と思えば、ベゼルが太くても、操作性はあまり損なわれない印象だ。
8000mAhバッテリーと握りやすいデザインで使い勝手良し
搭載バッテリーは8000mAhで、動画再生は約14.5時間、音楽再生は約40時間に対応しているとのこと。使用環境によってバッテリーの消耗度合いは変わるが、概ね公表値通りだと感じている。スペック的に、ゲームアプリをヘビーに動かすようなデバイスではないため、必要十分だろう。33Wの急速充電にも対応しているので、ちょっとした隙間時間でフル充電になるのもありがたい。
本体は約255mm×188mm×6.9mm、質量は約538g。タブレットとしても少し重めな印象で、片手、両手操作ともにずっしり感は否めない。ただし、背面が湾曲しているため、手に馴染む感触は良好だ。
本体はスペースグレーの一色展開。シルバー調で、中央上部に配置したカメラが印象的なデザインになっている。近年のタブレットとしては珍しいツートンカラーになっており、高級感もある。ただし、カメラ付近の素材は、指紋が付着しやすいので、気になる人もいるだろう。
コンテンツビューアーとして快適な処理性能
OPPO Pad Neoの搭載メモリは6GB、ストレージは128GBとなる。いずれも近年のデバイスとしては物足りなさがあるが、メモリは拡張機能によって最大プラス6GB、ストレージはmicroSDXCが最大1TBまで利用できる。
CPUにはMediaTek Helio G99を採用。ミッドレンジ帯のデバイスに搭載されることの多いチップだ。
OPPO Pad Neoの場合、動画視聴や電子書籍の閲覧といった作業であれば、ある程度快適に動作する印象。一方で、画像編集やヘビーなゲームアプリにはあまり向かず、画質の劣化やカクつきが見られる。何度も触れた通り、あくまでコンテンツビューアーとしての運用が適したデバイスと言えるだろう。
OPPOのタブレットならではの特徴が、ジェスチャーによる操作性だ。アプリを開いた状態で、上部から二本指で下にスワイプすると、画面分割モードが起動、三本指でスワイプすると、スクリーンショットの撮影ができる。四本指のスワイプでは、対応アプリをフローティングウィンドウ形式で表示できる。
いずれのジェスチャー操作も、指の本数が違うだけで、上から下にスワイプするだけなので、ミスが少なく、覚えやすいのがありがたい。メーカーによってジェスチャー操作が異なるだけに、間違えにくいのは大きなアドバンテージになるだろう。
生体認証は顔認証のみで、指紋認証には非対応。顔認証の速度、精度に不満はないが、タブレットはデスク上の定位置に置いて作業することも多いので、顔を向けずにロックの解除ができる、指紋認証機能も欲しかったと、個人的には感じている。
OPPO Pad Neoは、OPPO公式サイトでの販売価格が4万4800円。別売だが、2480円で専用のスマートケースも販売されている。ミッドレンジ帯のタブレットということもあり、お得感の強いデバイスだろう。最新のAI機能を余すことなく楽しめる、ハイエンドタブレットを求めている人には物足りないかもしれないが、コンテンツビューアーとして優秀なので、スマートフォンとは別の大画面デバイスがほしい人、Androidタブレットの導入機を探している人といったニーズには、しっかりと応えられる仕上がりだ。