レビュー

ソニー「Xperia 5 IV」レビュー――フラッグシップ級のカメラ技術で「すぐに、きれいに、撮影できる」

 ソニーは、9月1日に5Gスマートフォン「Xperia 5 IV」を発表した。“新機能を搭載しながらも価格が抑えられた”「Xperia 5」シリーズの最新機種となるが、今回もフラッグシップモデル「Xperia 1 IV」の機能の一部が搭載されている。

 今回は、発売前に「Xperia 5 IV」を試用できる機会を得たので撮影した写真や使い心地などのレビューをお届けする。

主なスペック

 大きさは156×67×8.2mmで、重さは約172g。チップセットは「Snapdragon 8 Gen 1」を搭載している。

 ディスプレイは、約6.1インチ有機EL(OLED)ディスプレイを搭載(FHD+、120Hz駆動)している。21:9の縦横比で、一般的なスマートフォンより少し縦長になっている。

 多くの動画コンテンツが16:9の比率で撮影/撮影されているため、動画視聴時に左右に空間が発生する一方、ゲームプレイなどではほかのユーザーが見えづらい部分まで見えるため、ゲームを有利に進められる。また、後述のカメラアプリ「Photography Pro」などでは、21:9のディスプレイを生かし、プレビュー画面と各種設定を確認しながら撮影できるため、カメラ専用機での撮影感覚そのままでXperia 5 IVで撮影できる。

標準カメラアプリ「Photography Pro」

 バッテリー容量は5000mAhでIP65/68相当の防水防塵性能、NFCやFeliCa(おサイフケータイ)をサポート。SIMはnanoSIMカードとeSIMが利用できる。

裏面は、Xperia 1 IVと同じようにマット仕上げ
表面は約6.1インチの有機ELディスプレイを備える
上部に3.5mmイヤホンジャック
下部にUSB Type-CとSIMスロット
SIMスロット、表面はnanoSIMカード、裏面はマイクロSDカードスロット
設定画面

カメラ機能

上から16mm超広角(1200万画素級、F値2.2、1/2.5”)+24mm広角(1200万画素級、F値1.7、1/1.7”)+60mm望遠(1200万画素級、F値2.4、1/3.5”)

 アウトカメラは、16mm超広角(1200万画素級、F値2.2、1/2.5”)+24mm広角(1200万画素級、F値1.7、1/1.7”)+60mm望遠(1200万画素級、F値2.4、1/3.5”)の3眼構成となっている。なお、これからの作例では、クリック/タップで縮小前のものを確認できる。

夜景撮影

 実際に撮影してみると、街頭や街の明るさが自然に表現されており、シャッタースピードやISOなどを細かに調整しなくても、自動で美しく撮影できる。

後ろの建物が、手前の強い白で飛ぶことなく表現されている。明るい部分はしっかりと、暗い部分も鮮明に写している

 一方で、手持ちでの夜景撮影時に気になるのは「手ぶれ」というユーザーも少なくない。次の作例では、船上での手持ち撮影という夜景撮影には悪条件がそろっている環境での撮影だった。写真左右の建物では、手ぶれによる影響が大きく出ているものの、全体的には多くの光がなめらかに表現されており、ノイズの少ない安定した写真になっている。

一見きれいに見えるかもしれないが、縁に近づくにつれてブレが目立つ

20fpsの高速連写機能もうれしい

 日中の撮影では、3つのカメラをシチュエーションにあわせて使い分けることで、ダイナミックな写真を撮影できる。アウトカメラはすべて1200万画素級で24mmと60mmには光学手ぶれ補正(OIS)が搭載されている。

作例(左から16mm、24mm、60mmの順)

 また、すべてのレンズで20fpsのAF/AE連写撮影機能を搭載している。HDRで撮影できるため、スポーツシーンなどでも望遠レンズを使った連写が可能となる。

20fps連写の作例(全31枚)

手軽に“きれいに”撮影できる安心感

 スマートフォンで撮影した写真を、SNSでシェアするユーザーは多い。ポケットやカバンから、スマートフォンを取り出してすぐに撮影できるため、「いいな」と思った光景を迷わずに撮影できるのは、スマートフォンの大きなメリットの一つだ。

 それでも、スマホ標準のカメラアプリでは満足行かずなく、サードパーティのカメラアプリを使ったり、加工アプリで加工していたりするユーザーもいる。

 「Xperia 5 IV」では、フラッグシップモデルの「Xperia 1 IV」譲りの画像処理技術により、露出やシャッタースピードなどを調整しなくても「すぐに条件にあわせた設定」で撮影できる。また、高速で焦点を合わせられるオートフォーカス(AF)機能や、人物の瞳に焦点を合わせて顔がきれいに撮影できる瞳AF機能などで、難しい設定をせずに自然で美しい写真を撮影できる。

 また、本格的なカメラ撮影体験ができるマニュアル撮影モードも用意されている。滝の撮影や街中の人の動きを表現したい場合などでも、シャッタースピードを調整できたり、ISO値の調整ができたりする。普段からレンズ交換式カメラを利用しているユーザーはもちろん、これから本格的なカメラ撮影にチャレンジするユーザーにもおすすめしたい。

Photography Pro
「Photography Pro」主な設定画面

スピーカーが進化

3.5mmオーディオジャックは上部に配置

 Xperia 5 IVでは、本体スピーカーの構造を刷新し、音圧の向上が図られている。また、本体への振動の伝播を抑制する専用のエンクロージャーを搭載しており、クリアなサウンドが体験できる。

 Xperia 5 IVで音源を再生すると、まず音場が従来よりも広がって感じられた。先代のXperia 5 IIIでも音場の広がりを感じていたがあくまで「スマホのスピーカーとしてはいい」という感じであった。今回のXperia 5 IVでは、ほかのスピーカーと比較できるほど「余裕のある」サウンドを実現できていることがわかる。スマホのスピーカーでありがちな「頑張って音を出しています」という感じが、Xperia 5 IVでは感じられず、エンクロージャー搭載による振動の伝播抑制が効いているように感じられた。

 サウンドも細かく再現されており、音源によっては音像がはっきりとわかるものもあり、一人暮らしの部屋など音量がそこまで必要でない場面であれば、「Xperia 5 IV」1台で十分なレベルのサウンド体験ができると考える。

 ソフト面では、360度から流れているような音楽体験ができる「360 Reality Audio」や、ステレオ音源をマルチチャネル音源に変換する「360 Reality Audio Upmix」や、ハイレゾ級の音質にアップスケーリングする「DSEE Ultimate」が利用できるため、より豊かな音楽体験ができる。

 また、ゲームプレイ時や有線イヤホンユーザーにはうれしい3.5mmイヤホンジャックの搭載や、ワイヤレスオーディオでもハイレゾコーデック「LDAC」をサポートしている。

価格次第ではバランスのとれた一台に

 今回は、カメラ機能を中心にお伝えしてきたが、「Snapdragon 8 Gen 1」搭載やゲームプレイ/配信機能といった、フラッグシップモデルに負けないレベルの機能を搭載している。

 Xperia 1 IVでは、可変望遠カメラの搭載やゲーミングギア「Xperia Stream」対応など目玉となる機能/性能がある一方、「Xperia 5 IV」では飛び出た機能があるわけではない印象を受ける。

 Xperia 5 IVでは、「すばやくきれいに撮影できる体験」や「スマホレベルを超えたスピーカー体験」ができた。5000mAhの大容量バッテリーやワイヤレス充電対応など、長期間普段使いできる性能も備わっているため、スマートフォンの購入間隔が長期化してきているこれからの買い換えでもオススメできるスマートフォンだと感じた。

 Xperia 5 IVは、NTTドコモとKDDI(auブランドから)、ソフトバンク(ソフトバンクブランドから)、楽天モバイル(11万9900円)から発売される。本稿執筆時点では、楽天モバイルの価格のみ発表されているが、円高や半導体不足、アフターコロナの反動などで端末価格が全体的に高騰している状況下のなか、長期間安心して使える端末として検討してみてはいかがだろうか。