レビュー
「Xperia 5」クイックインプレッション
最大のライバルは「Xperia 1」か
2019年10月25日 16:38
秋冬モデルとしてドコモ、au、ソフトバンクから発売される「Xperia 5」。夏モデルの「Xperia 1」と同様に21:9の縦長ディスプレイを搭載し、Xperia 1に近い仕様のハイスペックモデルだ。
最大の違いは画面や本体のサイズで、Xperia 1と比較すると、画面サイズは6.5インチから6.1インチに、本体サイズは約167×72×8.2mmから約158×68×8.2mmにそれぞれ小型化された。
画面解像度の違いやカメラに積層型センサーを採用していないことなどいくつかの違いがあるが、チップセットやメモリ容量、超広角・広角・望遠のトリプルカメラなど、多くの仕様は共通しており、Xperia 1の性能・機能をひと回り小さなボディに凝縮した機種という印象を受ける。
あえてそのような名称は付けられていないが、過去のXperiaシリーズのラインアップに当てはめると“Xperia 1 Compact”のようなポジションだ。
筆者は今夏に「Xperia 1」も試用したが(※関連記事)、Xperia 5を使ってみて、やはり他社にはあまりない21:9という特殊なアスペクト比を採用した画面、かつノッチやパンチホールもなくその広いスペースをフルに使えるという点にはあらためて大きな魅力を感じた。
Webサイトの閲覧やSNSなど、縦スクロールで読み進めるコンテンツとは非常に相性が良い。また、画面を分割して2つのアプリを同時に使う際も狭苦しさを感じない。
一方、画面の幅だけで見れば5インチ台半ばの機種とそう変わらないので、横持ちでゲームを遊ぶ際などには手狭に感じるかもしれない。
同じ21:9ディスプレイに魅力を感じるユーザーでも、ゲームアプリでの視界の広さや全画面での迫力ある映画視聴を重視するならXperia 1、携帯性に優れていながら一度に表示できる情報量も多いという情報端末としての利点を重視するならXperia 5をおすすめしたい。
ただ、標準サイズと同時に発表されることが多かった歴代のコンパクトモデルと異なり、ただ単に「小さくなったXperia 1」というわけではなく、後発ゆえにXperia 1よりも機能面で磨かれている部分もあるのが悩ましい点だ。
たとえば、動画を見ている途中でメッセージが届いたら、通知をタップして簡単にマルチウィンドウに切り替え、動画を止めずに内容の確認や返信ができるようになった。カメラ関連でも、ミスショットを減らす撮影アドバイス機能が追加されたほか、本格的な映像撮影ができる機能としてXperia 1から鳴り物入りで導入された「Cinema Pro」を改良。また、ゲームプレイを支援する「ゲームエンハンサー」も機能が拡充されている。
余談だが、2019年のXperiaシリーズは「数字が小さいほど高性能」という命名規則を採用している。まずフラッグシップモデルのXperia 1があり、ミッドレンジモデルとしては国内ではXperia 8、海外ではXperia 10が発売されている。その中間でXperia 5……ということだが半年分の改良点もあり、謙遜せずとも“5”と言わず“2”ぐらい、もうひとつのフラッグシップモデルと言っても過言ではない機種だろう。