レビュー

「Xperia 1」クイックインプレッション

21:9ディスプレイの使い勝手をチェック、マルチウィンドウが快適に

 「XZ」シリーズからデザインや機能を一新、Xperiaの新たなフラッグシップモデルとして登場した「Xperia 1」には、4K HDR対応の有機ELディスプレイやトリプルカメラ、スマートフォン初の瞳AFなど、意欲的な試みが随所に見られる。

Xperia 1 SOV40(ホワイト)

 しかし、それらの特徴を差し置いても、この機種を初めて手にした者の目を奪うのはやはり、やや奇異に映る妙に縦長のディスプレイではないだろうか。

 数年前までのスマートフォンの標準は16:9、最近では18:9や19:9の機種も増えてきているが、Xperia 1の画面はさらに細長い。今回は、この21:9ディスプレイの使い勝手を試してみた。

画面が縦に長い分、長文も読み進めやすい
動画を見ながらゲーム、といった使い方でも十分な広さ

 まずはブラウザを起動して弊誌の記事を開いてみると、一般的なスマートフォンよりも1画面に収まる範囲が広く、少ないスクロール回数で楽に読める。同様に、SNSのタイムラインを追ったり、メッセージでのやり取りを見返しながら返信したりするのも快適。ただ単に画面が大きいのではなく横幅は抑えられているので、操作性と情報量のバランスが心地良い。

21:9の画面はマルチウィンドウ機能と相性抜群

 そのままでも十分に21:9ディスプレイの威力を体感できるが、2つのアプリを同時に利用するマルチウィンドウ機能もぜひ試してもらいたい。画面の長さがさらに活きてくる機能だ。

 たとえば、縦持ちで画面を分割して、上半分では動画を見ながら下半分では別のアプリを使うとしよう。もし再生中の動画の縦横比が16:9なら、その分を差し引いても2つ目のアプリのためのスペースが従来のスマホ並みに残る。

大画面でも持ちやすい、良い道具になりそうな予感

 複数のアプリを同時に使っても狭苦しい表示にはならず、マルチタスクという点に限ればタブレットに近い感覚だ。特殊なアスペクト比なので、たとえば「動画を大画面で見たい」というようなニーズに対してはタブレット感覚とまでは行かないだろうが、用途にハマれば機動性と広々とした作業スペースを両立させた唯一無二のデバイスとなるだろう。そういった意味では、コアなファンから根強い人気を誇ったかつての「Xperia Z Ultra」に少し似た部分もあるように思う。

マルチウィンドウを使いやすくするランチャー機能
ランチャーは「サイドセンス」でいつでも呼び出せる

 また、既にAndroidスマートフォンでマルチウィンドウをよく使っている人なら、Android 9になってから画面分割のための操作が一手間増えたことをご存知かもしれない。この点でも、Xperia 1にはマルチウィンドウでの利用に適した機種といえる工夫が施されている。

 マルチウィンドウの上下に配置するアプリを簡単な操作で選べるランチャーが用意されていて、直近で使用した3つの組み合わせは自動で記憶される。このランチャーはホーム画面からの起動のほかに、画面外のエリアを使ったジェスチャー操作機能「サイドセンス」でも呼び出せるので、操作をマスターすればいつでもすぐに21:9の画面を活かした使い方ができる。