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“次世代の電動車イス×クラウド”でユーザーをアシスト、ドコモなどが実験

 NTT、NTTドコモ、WHILLの3社は、WHILL製の電動車イスとクラウド技術を用いて「モビリティ型パーソナルエージェント」の共同実験を開始した。電動車イスを利用するユーザーに対して、クラウド側から「この先は混んでいますよ」などとユーザーを手助けする仕組みが検証される。

 実験では、WHILL製の電動車イス「WHILL」の操作トレーニングや、WHILLで外出する際の屋外サービスが検証される。たとえば操作トレーニングでは、実際にユーザーが「WHILL」に腰掛けて操作してみると、その走行データからクラウド側で操作能力を推測する。うまく操作できるかどうか、状況に応じて、操作トレーニングのシナリオを変更していく。実用的になれば、操作方法を教えるスタッフが不要となり、より多くのユーザーがWHILLのような製品に手を出しやすくなる、と期待される。

 また屋外サービスでは他のデバイスとの連携で、ユーザーを支援する仕組みが検証される。想定されるシナリオとしては、まずカメラ搭載のドロイドがあらかじめ用意され、周辺を観察し情報を収集する。泣いている子供が居れば、その子の家族であるWHILLユーザーに子供の状況を連絡。WHILLユーザーが子のもとへ急ごうとすれば、ドロイド側で入手していた混雑度や障害物の有無などの情報も配信される。訪問先となる子供のもとには「おばあちゃんが向かっているよ」などと伝える、という流れだ。

 実験は神奈川県横須賀市の長井海の手公園 ソレイユの丘で行われ、WHILLが2台用意される。訪れた人は誰でも体験可能。WHILLだけではなく、モバイル通信技術や、音声認識技術、対話による機器制御、音声合成技術、デバイス制御技術「R-env:連舞」などを組み合わせており、シチュエーションにあわせてユーザーに働きかけて、行動や気づきを促す“モビリティ型パーソナルエージェント”の実現を目指す。

関口 聖