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今冬唯一の300Mbpsスマホ「AQUOS ZETA SH-01H」

 シャープ製「AQUOS ZETA SH-01H」は、今回発表されたドコモの新たなスマートフォンのうち、唯一、下り最大300Mbpsの3波キャリアアグリゲーション(3CC)に対応する。11月上旬に発売される予定で実質価格は5万円台半ばになる見込み。

 ハイスペックな機種となる「AQUOS ZETA SH-01H」は、Android 5.1を搭載。ディスプレイは約5.3インチ、フルHD解像度の“ハイスピードIGZO”となる。これは、最大120Hz駆動が可能な倍速液晶というもので、従来よりも残像感のない映像を楽しめる。

 毎秒120フレームの動画をそのまま再生が可能。毎秒120フレームの動画はあまり配信されていないが、前シーズンのモデルに引き続き、AQUOS ZETAは毎秒120フレームの動画撮影に対応するので、今冬モデルでは撮影・再生の両面で毎秒120フレームに対応したことになる。

 動画以外にも、通常時のUIやアプリの描写がよりなめらかになっている。たとえばホーム画面や設定、ブラウザ、地図などのアプリで画面をスワイプしたとき、より指に追従し、カクツキの少ないなめらかな描写がなされる。

 毎秒120フレームの描写は、アプリごとに有効・無効の設定が可能で、設定アプリ内の各アプリの設定画面に追加されている「高速液晶表示」という項目で設定を切り替える。プリインストールされているアプリの一部は、この設定がオンになっている。追加インストールしたアプリは、デフォルトではこの設定はオフになっており、ユーザーが必要に応じてオンに切り替える必要がある。

 どのアプリでも毎秒120フレーム表示に切り替えられるが、もともと毎秒60フレームなどに描写制限をかけているアプリでは、設定をオンにしても効果はない。また、毎秒30フレームなどの動画コンテンツについても、フレーム補完が行なわれるわけではない。コンテンツ側のフレーム数が少ない場合は、IGZO液晶の機能として描写フレーム数をコンテンツにあわせる処理が働き、より省電力に再生が可能となる。

 毎秒120フレーム描写により、原理的にはバッテリーの消費が増えるが、実利用に大きな影響を与えるレベルではないという。

 メインの裏面照射型の13.1メガピクセルカメラでは、位相差およびコントラストオートフォーカスを組み合わせた、ハイブリッドオートフォーカスを採用。前モデルと比べて、ピントが合うまでの時間は1/3に短縮された。光学式手ぶれ補正機能も搭載しており、前モデル同様に、リコーイメージングによる画質認証プログラム「GR certified」を取得している。

 インカメラは800万画素で、自撮りの際も高品質な写真を撮れる。左右と上側のフレームが細い「EDGEST」デザインを継承するため、インカメラは画面の下側に付いている。正位置でかまえると下からあおるようなアングルとなってしまうので、シャープが配布するカメラのガイドブックなどでは、自撮りの際には本体を天地逆にかまえることが推奨されている。

 側面のセンサーを使った「グリップマジック」は今回も踏襲。電話着信の鳴動中に持ち上げると音量が小さくなるなど、操作感はそのままながら、仕組みはこれまでの感圧センサーから、近接センサーへと変更された。そのため、側面のフレームは金属製となっているが、近接センサーの部分だけ小さな穴が開いている。

 背面中央に指紋認証センサーを搭載している。指紋認証センサーは指をスライドさせて指紋を読み取るタイプで、押し込みスイッチなどの機構はない。スリープ消灯状態からロック解除するには、いったん画面を点灯させる必要があるが、グリップマジックによる点灯機能をオンにしておけば、本体を手にしただけで画面が点灯し、そのまま指紋認証でロック解除できる。

 指紋は5種類まで登録可能で、それぞれの指について、ロック解除後に起動するアプリや機能を設定できる。センサーの位置からは人差し指が最適ではあるが、たとえば中指で解除したときは家までのルートをGoogleマップで検索する、といった設定が可能となっている。

 外観は従来を踏襲しつつ、背面にガラスを採用するほか、側面のメタルフレームで高い質感を演出する。また背面の指紋センサーはボディカラーにあわせて着色されており、背面との一体感が高まった。側面の角はすべてプラスチックパーツになっていて、下端左右の角には通知イルミネーションなどで光るようになっている。

 背面カバーの取り外しは不可能で、側面にnanoSIMカードとmicroSDカード(のスロットがある。カードスロットにはカバーがあるが、充電にも使うmicroUSB端子はキャップレスで防水に対応している。

 3つのバンドを組み合わせたキャリアアグリゲーション(3CC)により、下り最大300Mbpsの通信が可能。このとき使われるのは、2GHz帯、1.5GHz帯、800MHz帯の3バンドとなる。

 iPhone 6s/6s PlusやNexus 5Xが対応している2GHz帯と1.7GHz帯のキャリアアグリゲーション(最大262.5Mbps)には対応しない。これは1.5GHz帯対応のモデルでは、2GHz帯と1.7GHz帯のキャリアアグリゲーション対応が困難という技術的な制約によるものだという(iPhoneやNexusは1.5GHz帯に非対応)。

 NTTドコモの3CCに対応するのは、今冬のモデルでは本モデルとモバイルWi-Fiルーターの「Wi-Fi STATION N-01H」のみとなる。Nexus 5X以外のAndroidスマートフォンは、最大225Mbpsのキャリアアグリゲーションまでの対応になる。

主な仕様

 大きさは139×74×7.9mm、重さは約151g。バッテリーは3100mAhで、脱着はできない。チップセットはMSM8992(CPUは1.8GHz駆動×2、1.4GHz駆動×4)で、3GBのメモリと、32GBのストレージを搭載する。Bluetooth 4.1、Wi-Fi(IEEE802.11a/b/g/n/ac)、防水・防塵、VoLTE、おサイフケータイに対応。一方、赤外線通信は非対応となる。ワンセグやフルセグ、NOTTVも利用できるが、その際には同梱の外付けアンテナが必要となる。ボディカラーは、Blue、Black、Magentaの3色。

白根 雅彦

関口 聖