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Surface 3は“マイクロソフトの反撃”「他社のエコシステムすらテコに進化していく」
(2015/5/19 19:15)
MS反撃の象徴がSurface 3、「他社のエコシステムすらテコに」
「マイクロソフトは今、大変な変革期を迎えている。どんどん新しい戦略が出てきており、『反撃が始まった?』と言われている。それを象徴するのがSurfaceだ」。
マイクロソフトが5月19日に開催した記者向けの発表会で、日本マイクロソフト 代表執行役社長の樋口泰行氏は冒頭でこのように語り、同社の現在の戦略を象徴する新製品として「Surface 3」を紹介した(端末の詳細や価格は別記事を参照)。
その中身については、「PCとしても使える。それが真のタブレット。それ以外は“タブレット未満”だ。Surface 3は大きさ、価格、そして初めてのLTE対応と、申し分のないタブレットになった」と自信を語り、「ソフトバンクモバイルと戦略的なパートナーシップを結び、密にドライブしていく」と、通信キャリアと連携を強めていく方針を明らかにした。
「AppleやGoogleは、生態系(エコシステム)の構築に成功した。ユーザーは、“どの製品か”ではなく、“どの生態系(エコシステム)を選ぶか”ということを重視している。マイクロソフトは、他社のエコシステムすらテコに、構築・進化していく」と、樋口氏からはWindows 10でも注目を集める、既存のエコシステムを抱き込んでいく戦略も語られる。
また、同社の新たなビジョンを掲げた上で、「コンシューマ、企業ユーザーの両方にフォーカスしていく。きっちりアドレスしていくのがマイクロソフト。そこではタブレットは核になる。口コミで広まるような使い勝手とシンプルさを実現しており、点と点を線で結んでいく」と、Surface 3が前述のように同社の戦略を表す象徴的な製品になっている様子を紹介した。
ノートPCを置き換えられるフルのWindows、Office、ペン
続いて米Microsoftから、ジェネラルマネージャーでSurface & Windows Hardwareセールス&マーケティング担当のブライアン・ホール氏が登壇し、Surface 3の具体的な特徴が解説された。
ホール氏は、今回のモデルでコストの削減や薄型化・軽量化を図った様子を紹介。ディスプレイ、スピーカー、カメラといったこだわりの仕様を解説した。また、パソコンの置き換えに値するという4つのポイントとして、最大128GBのストレージ、背面に内蔵するキックスタンド、オプションのキーボードを搭載するType Cover、ドッキングステーションの存在を挙げた。
同氏はほかにも、最大2.4GHzのクアッドコアでパフォーマンスに優れることや、LTE対応で高速な通信が可能な点、オプションのSurfaceペンの使い勝手を高めている点などが紹介され、キックスタンドの3つ目の角度はペン入力に最適化された角度であることも紹介された。ソフトウェア面では、フルのWindowsであること、Officeを利用できること、ペンに対応することがポイントという。LTEで動画のストリーミング再生をデモした際には、「日本は羨ましい限りだ。米国ではまったくこんなことはできない」と会場の笑いを誘った。
ホール氏はさらに、ハードウェアやデザインにこだわった様子も語る。キックスタンドのヒンジのパーツは新規に開発されたものであることや、耐久性なども含めて、全体の700以上のパーツが吟味された様子が紹介され、「完璧を追求してきた」と自信を見せた。
背面に内蔵のキックスタンドについては、3段階のポジションが明確なタイプになった。ユーザーの利用動向から、3つの角度を選んだとのことで、最も寝かせたポジションは、ペンでの利用に最適という。一方、ヒンジのパーツという面では、無断階調整が可能なパーツにするとコストが上がるとも認めており、価格を抑える中での選択を窺わせた。
なお、「Surface 3」はWindows 10への無償アップグレードが案内されているが、スマートフォン向けの「Windows 10 Mobile」について、発表会では特に触れられていない。