NTTグループの料金業務一本化、競合各社が再び総務省に要望書


 イー・アクセス、ケイ・オプティコム、KDDI、ジュピターテレコム、ソフトバンクテレコム、ソフトバンクBB、ソフトバンクモバイル、日本ケーブルテレビ連盟は、NTTグループの料金請求・回収業務の統合に対して、総務省へ再び要望書を提出した。

 NTTグループでは、今年7月よりNTT東西、NTTドコモ、NTTコミュニケーションズの利用料について、債権をグループ会社のNTTファイナンスに譲渡し、NTTファイナンスからユーザーへまとめて請求するサービスを開始する方針。これによりNTTグループの料金関連部門がNTTファイナンスに統合され、効率化も図られる。NTTグループの固定電話や携帯電話を利用するユーザーにとっては、請求書が一本化されることになり、ユーザーの利便性向上が図られることになる。

 一方、競合各社にとっては、強大なNTTグループの競争力が増す施策になると懸念し、NTTからサービスが発表された今年2月、総務大臣へ要望書を提出。またその1カ月後の3月には、電気通信事業法にのっとった手続きで、総務大臣へ意見申出書を提出した。一方、総務省では、3月末にNTTグループに対して、一定の条件を付けて遵守するよう要請していた。

 今回、各社の訴えは、ウィルコムやUQコミュニケーションズ、電力系通信事業者などの総意のもと、8社が代表して提出されたもの。それによれば、5月16日に総務省から、競合各社の意見申出書への回答が行われた際、「総務省がNTTグループに求めている講ずべき措置は、サービス開始に先だって報告を求め、総務省で検証することが明記されていた」とのことだが、NTTグループからの報告内容や総務省の検証結果はまだ公開されていないという。そこで今回は、各社では、外部から検証できるよう総務省が情報公開することを求めている。また、審議会などで定期的かつ永続的に検証を行い、さらにNTTグループの統合などの施策に備えて事前の審議や検証を行うよう求めている。




(関口 聖)

2012/6/28 18:45