クアッドコア「Tegra 3」搭載の「ARROWS Z ISW13F」


グロッシーレッド
マットブラック

 「ARROWS Z ISW13F」は、クアッドコアCPUを搭載し、WiMAXに対応した富士通製のAndroidスマートフォン。7月末発売予定。

 昨年の秋冬モデルISW11Fと同じ「ARROWS Z」の名前を冠するハイエンドモデルで、4.6インチの720×1280ドット液晶ディスプレイ、約1310万画素の裏面CMOSカメラ、4コアCPUなど高いスペックになっているほか、+WiMAX、おサイフケータイ、防水防塵仕様など、NFC以外の主要サービスをほぼサポートしている。独自の機能としては、指紋認証機能も搭載している。

 プラットフォームにはAndroid 4.0を採用し、チップセットにはNVIDIA製の「Tegra 3」(AP33)を搭載する。Tegra 3は、5コアのCPUと12コアのGPUを搭載する。最大クロック周波数は1.5GHz。CPUコアのうち1つは省電力用の「コンパニオンコア」で、高い処理能力を必要としない操作時などには、コンパニオンコアだけで動作することで消費電力を節約している。残りのCPU4コアについても、2コアだけを使ったり、コアごとに動作クロックを変えることができるという。システムメモリは1GB、ストレージは16GB。

 クアッドコアを生かしたアプリとしては、セガの「Sonic The Hedgehog 4 Epicode 2」の体験版などがプリインストールされている。同ゲームは、クアッドコアを搭載するISW13F向けにチューニングされており、デュアルコア端末向けのバージョンに比べるとグラフィックが強化されているという。こうしたCPU・GPU性能を生かしたアプリは、プリインストールされている「TegraZone」でも提供される。

 ホーム画面アプリは、富士通独自の「NX! comfort UI」を採用する。これは今夏の富士通端末から採用される新しいもので、画面上に文字を描くことで検索をかける「手書き検索」、画面外から指をスライドさせるジェスチャーで起動する「スライドインランチャー」などの新機能を搭載しているほか、新しいデザインのステータスパネルを搭載している。

 メールアプリも富士通独自の「NX!メール」を搭載。このアプリでは、Eメール(@ezweb.ne.jpのメール)やSMS(Cメール)、Gmail、そのほかのプロバイダーなどのメールをすべて統合し、ひとつのメールアプリで管理できるようになっている。ただしGmailのプッシュ受信には対応していない。送受信メールが両方見られるチャット表示や圏内自動送信機能なども搭載している。

 富士通独自の機能としては、背面に指紋読み取りセンサーを搭載し、指紋認証機能に対応している。指紋読み取りセンサーはボタンのように押し込めるようになっていて、たとえばセンサーを1回押すとスリープが解除され、続いてセンサーを指でなぞるとロックが解除される。ロック解除後は、操作時はセンサーの短押しでスリープに入る。指紋読み取りセンサは背面の中央に搭載されているので、左右どちらの手で握っているときも、持ち替えなくても操作しやすいようになっている。

 指紋認証機能を使った機能としては、端末ロック解除以外にも、プライバシーモード機能が搭載されている。プライバシーモード中は、プライバシー設定した連絡先やその連絡先から届いたメールや着信履歴が表示されなくなり、電池アイコンの表示が変わることで新着が通知される。連絡先だけでなく、画像やブックマーク、アプリも隠すことができる。データへのアクセスを拒否するのではなく、データの存在自体を隠すので、利用者以外には隠している情報があることを悟られにくいようになっている。

 プライバシーモードの切り替えは、背面の指紋読み取りセンサーの長押しで行ない、解除時には指紋で認証を行なうが、プライバシーモード中かどうかのステータス表示はない。ただし、たとえば連絡先のデータベースは暗号化されるわけではないので、ほかに連絡先データベースにアクセスできるアプリをインストールすると、そちらからはプライバシー設定されている連絡先も見えてしまうという。

 セキュリティ関係機能としては、アプリをロックする「アプリロック(mi lock)」機能や指紋認証でパスワードを自動入力する「パスワードマネージャー」の機能も搭載している。

 このほか、富士通独自の技術としては、環境センサーを使ったりして使いやすくする「ヒューマンセントリックエンジン」が専用LSIに統合されて搭載されている。同エンジンの機能としては、環境光に合わせて画面の色調を変える「インテリカラー」、歩いている最中は文字サイズを大きくする「あわせるズーム」、ほかの富士通端末で採用されている通話音声の各種アシスト機能、温湿度センサーなどの機能を搭載している。また、タッチパネルの操作感の最適化もさらに強化されているという。

 メインカメラは約1310万画素の裏面照射CMOS(Exmor R for mobile)を、画像処理エンジンには富士通製のMilbeaut Mobileを搭載する。撮影速度や高感度性能が向上している。動画は1080p、60fpsのフルHD撮影にも対応する。サブカメラは約130万画素。最大32GBのmicroSDHCカードに対応。microSDXCには対応しない。HDMI/MHLケーブルで映像のテレビ出力も可能。

 省電力機能としては、富士通独自の「NX!エコ」アプリを搭載。時間帯ごとに設定を自動切り替えすることができる。ハードウェア面では、CPUに省電力コアが搭載されているのに加え、バッテリー容量は1800mAhとなっている。充電は卓上ホルダーに対応し、卓上ホルダーはパッケージに同梱される。卓上ホルダーとACアダプターを利用したときは、通常充電時の1.5倍の電流で充電を行なえる。

 主要な機能は、おサイフケータイ(FeliCa)、ワンセグ、テザリング(8台)、赤外線通信、Bluetooth 4.0、DLNA(DTCP-IP)、緊急地震速報などに対応する。3.5mmイヤホンジャックは防水キャップ内に搭載。通信は、WIN HIGH SPEED、WiMAX、Wi-Fiのほか、海外ではCDMA/GSM/GPRS/W-CDMA(Band1、Band5)をサポートする。Wi-FiはIEEE802.11a/b/g/nに対応し、5GHz帯のWi-Fi通信もできる。USBはホスト対応で、外付けハードディスクを含むマスストレージクラス(FAT32フォーマット)に直接接続できる。FMトランスミッターも搭載する。

 大きさは約135×67×10.6mmで、重さは約145g(いずれも暫定値)。ボディカラーは、グロッシーレッドとマットブラック。連続待受時間や連続通話時間については検討中とされている。なお、micro au ICカード採用機種なため、通常サイズのau ICカードからはカードの変更が必要となる。

 




(白根 雅彦/津田 啓夢)

2012/5/15 10:10