WCPが無線ブロードバンド「AXGP」を開始、MVNO向け
ソフトバンクグループのWireless City Planning(WCP)は、11月1日より、2.5GHz帯を利用する高速無線通信方式「AXGP」のサービスの提供を開始した。
2007年12月、ウィルコムが2.5GHz帯の免許を獲得し、次世代サービスとして展開される予定だったが、その後、経営破綻による事業再生計画で2.5GHz帯の事業は、別会社が受け持つことになった。そうして誕生したのが、ソフトバンクやファンドが出資する「WCP」で、今年6月には事業計画の変更により、「AXGP」(Advanced eXtended Global Platform、高度化XGP)方式でサービスを提供する方針が示されていた。
WCPでは、11月1日より東京・大阪・福岡の一部地域でサービスを開始したと案内。ただし、エリアマップは公開されていない。今後については、2011年度末には札幌市、さいたま市、千葉市、東京23区、横浜市、川崎市、名古屋市、京都市、大阪市、神戸市、福岡市、北九州市とそれらの周辺都市でサービスが提供される。その後もエリア拡大を続け、2012年度末には、全国政令指定都市の人口カバー率を99%にする計画という。
旧ウィルコムのXGPサービスを利用していたユーザー数百人には、希望者を募って、USB接続型でドングルタイプのデータ端末(Huawei製)によるモニターサービスが提供される。この際の利用料は無料とのこと。
WCPによるエンドユーザー向けの料金プランは明らかにされておらず、これまでMVNO向けのプランが公開されている。それによれば、基地局~コアネットワーク~ゲートウェイまでをWCPが提供し、MVNO側が認証設備(HomeAAA)やDNSサーバーを用意してインターネット接続までを提供する、という場合、ネットワーク利用料として1回線あたり月額3800円(月間2GBまで、それ以降1GBごとに980円)、ゲートウェイ1つにつき30万円かかるほか、設備利用料が別途発生する。最低利用期間は2年間で、最低契約回線数は1000回線。これらの条件を踏まえ、MVNOによるエンドユーザー向け料金が用意されることになる。
現時点で明らかになっているMVNOはソフトバンクモバイルで、「SoftBank 4G」として2012年2月よりサービスが提供される。9月の新機種発表会で、ソフトバンクモバイルの孫正義社長は、「AXGPはTD-LTE方式と100%互換」と紹介し、ハードウェアで互換性があるという。なお、WCPの資本について変更はないとのことで、ソフトバンクが1/3、という形になっている。
2011/11/4 12:20