総務省、個人情報保護ガイドラインで位置情報取得に関する改正案


 総務省は1日、通信キャリアなどの電気通信事業者に対して個人情報保護の指針を示した「電気通信事業における個人情報保護に関するガイドライン」について、位置情報の取得に関する規定の改正案を公表し、改正案に対するパブリックコメントを募集すると発表した。

 改正案は、関係省庁が協議を行った結果を受けて、電気通信事業者が位置情報を取得するにあたって、必要な規定および解説の整備を行うもの。

 従来のガイドラインでは、携帯電話など移動体端末の位置情報について、電気通信事業者は利用者の同意がある場合、裁判官の発付した令状に従う場合、その他の違法性阻却事由がある場合を除いては、位置情報を他人に提供しないものとすると規定。また、位置情報を利用したサービスを提供する場合には、利用者の権利が不当に侵害されることを防止するための必要な措置を講じることも求めている。

 改正案では、これら従来の規定に加えて、捜査機関からの要請により位置情報の取得を求められた場合に位置情報を取得するための条件を明記。捜査機関から位置情報の取得を求められた場合、電気通信事業者は「当該位置情報が取得されていることを利用者が知りうるとき」かつ「裁判官の発付した令状に従うとき」に限り、位置情報を取得するとしている。

 総務省では、改正案に対するパブリックコメントを8月2日から8月31日まで募集し、意見を踏まえてガイドラインおよび解説の改正を速やかに行う予定としている。

 

(三柳 英樹)

2011/8/1 16:41