HTC、「HTC Desire HD」のクラウドサービスなど紹介


htcの小寺氏
HTC Desire HD

 HTC Nipponは、11月12日よりAndroidスマートフォン「HTC Desire HD」の販売が開始されたことに伴い戦略説明会を開催した。

 プレゼンテーションを行ったのは、HTC本社の最高製品責任者(CPO)である小寺康司氏。同氏は今年8月にCPOとしてHTCに入社した。これまでに三菱電機、ソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーションズなどに勤め、ソニー・エリクソンではバイスプレジデントとして製品やコンテンツを担当していた。

 小寺氏はまず、グローバルの状況を説明し、HTC製端末は世界のAndroid端末の5台に2台、Windows Phone端末は2台に1台がHTC端末であるとした。HTCのビジネスの半分以上を占めている主戦場の北米市場では、昨年から1年間でブランド価値が13%から48%へ上昇し、顧客満足度が高まったことなどを紹介した。

 スマートフォン事業に注力しているHTCは、従来よりイノベーションを追求するという方針を示している。小寺氏は「イノベーションにフォーカスし、いかにマーケットにそれを投入していくか」が重要であるとした。また、これまで最新OSにいち早く対応をしてきたHTCだが、今後も「設計段階から先を読んで展開していく」という。

 ソフトバンクより販売が開始された「HTC Desire HD」については、起動の速さをアピールし、空港でのワンシーンを説明し「飛行機を降りてまず何をするか? スマートフォンの電源を入れる。HDならわずか10秒で起動する」と話した。

 また、「HTC Desire HD」で提供されるクラウドサービス「HTC Sense.com」なども紹介された。「HTC Sense.com」では、スマートフォン内に保存されたアドレス帳データやSNSなどのメッセージのやりとり、カレンダー情報などをHTCのサーバー上に保存できるというもの。データの管理はパソコンから行え、端末を変更した際にもデータの移行がしやすくなる。

 「HTC Sense.com」では、スマートフォンをどこに置いたのかわからなくなった場合などに、マナーモード中であったとしてもパソコンから強制的にメロディを流すよう発信できる。また、端末を紛失した場合でも「HTC Sense.com」から端末ロックとパスワードが設定でき、「見つけたかたは電話してください」などとディスプレイ側にメッセージが表示できる。どうしても見つからない場合も遠隔からスマートフォン内のデータを消去できる。

 なお、「HTC Sense.com」は「HTC Desire HD」以降のモデルから利用できるようになる。HTC Desireなど従来提供していたモデルへの対応は検討中とのことで、小寺氏は「なるべく早く回答を出したい」と語った。

 このほかHTCでは、端末内に記録されたデータを新しい端末にする際に、Bluetoothを利用して、マシン to マシンでデータ移行できる仕組みなどを検討しているという。また、日本特有の機能へのキャッチアップについて、小寺氏は「FeliCaなどはいずれやらざるえないと思っている」と語った。国内では今後も、携帯電話事業者と協力して端末を提供していく方針という。


 



(津田 啓夢)

2010/11/12 14:34