Amazon.co.jpを利用できるiPhoneアプリ登場、カメラで検索可能


 Amazon.co.jpは、同社のオンラインストアを利用できるiPhone/iPod touch向けアプリ「AmazonモバイルiPhoneアプリ」を6月3日より提供する。App Storeでダウンロードでき、アプリの利用料は無料。

 同社は2008年より、Amazon.co.jpをiPhoneからのアクセスに対応させていたが、新たに検索機能などを充実させたiPhoneアプリの提供を行う。カメラで商品を撮影して検索できる機能や、GPSを利用して受け取りが可能なコンビニを検索する機能、端末内の「連絡先」と連携し配送先に指定できる機能などが特徴となっている。

 カメラを搭載しているiPhoneでは、「フォト検索」機能を利用可能。Amazonのアプリで製品の写真を撮影し、送信すると、自動的に類似あるいは同様の製品が検索され、表示される。加えて、主に該当する検索結果が無かった場合には人の手による検索を実施。概ね数分~数十分以内には検索結果が得られるようになっている。人力検索機能では「Amazon Mechanical Turk」がAmazonの負担で活用されており、24時間の利用に対応する。なお、フォト検索はバーコードや2次元コードの読み取りには対応していない。

 このほか、iPhoneのGPS機能を利用し、コンビニ受け取りサービスを利用できるコンビニを地図上で検索できる機能が搭載されている。また、端末内の「連絡先」データと連携でき、普段利用していない住所も手軽に指定できるようになっている。このほか、1-Click注文やカスタマーレビューの閲覧、ほしいものリストなどの基本機能を利用でき、パソコンからの利用と連携可能。アプリではマーケットプレイスの商品など、Amazon.co.jpの商品すべてを購入でき、決済方法もパソコン版と同様の種類が用意されている。

AmazonモバイルiPhoneアプリ

 

 2日には記者向けに説明会が開催された。Amazonのモバイル戦略について、アマゾン ジャパン オンライン・トラフィック部門ディレクターのかせ川 謙氏は、同社の基本戦略や3つのポリシーなどを解説した上で、「ユビキタス化」「個客重視」「先端機能の活用」と3つのモバイル戦略を挙げた。このうち、ユビキタス化は、早くからモバイルサービスを提供してきた姿勢を指し、「個客」重視とはパーソナライゼーション機能やメールによる検索機能、今回のフォト検索機能を指している。

 同氏はまた、Amazonのモバイルサービスを利用するユーザー層の特性に触れた。携帯電話からは若年層の利用が目立つとする結果を示す一方で、iPhoneではITリテラシーの高いユーザー層が目立つとし、2009年第4四半期の人気商品を紹介してユーザー層の違いを解説した。

モバイル戦略の3つのポイント携帯電話とiPhoneのユーザー層の違い
アマゾン ジャパン オンライン・トラフィック部門ディレクターのかせ川 謙氏アマゾン ジャパン モバイル・プラットフォーム部門 シニア・プロダクト・マネージャーの古屋美佐子氏

 アマゾン ジャパン モバイル・プラットフォーム部門 シニア・プロダクト・マネージャーの古屋美佐子氏からは、アプリを利用するデモ映像とともに、具体的なアプリの機能が解説された。同氏は、「簡単い、速く、直感的に使える」とアプリが紹介され、ストーリーに沿って検索から購入までの流れを説明した。


フォト検索機能を利用する様子1-Click購入などパソコン版と同様の機能が用意される

 質疑応答の時間では、一般的に利用には費用が発生する「Amazon Mechanical Turk」を活用することについて、Amazonが費用を負担し、商品価格には上乗せされないことが明言された。その人力検索の結果が返されるまでの時間については、「数時間はかからないが、かかる時は30分以上もあるかもしれない」とした。

 iPadでの利用については、アプリとして機能するものの、古屋氏は「画面サイズが小さいまま」と、最適化されていないとした。

 Androidなどほかのプラットフォームへの対応については、かせ川氏は「我々の方針として、実際のローンチより前に発表することはない」としたものの、「ユーザーの声をよく聞いて判断したい。要望があれば検討する」とした。

 



(太田 亮三)

2010/6/2 17:17