KDDI研とタクサ、分野横断型レコメンドシステム「イコピタ」開発


 KDDI研究所とタクサシステムズは、「いま・ここ・ぴったり!」をテーマに、レジャーやイベント、グルメ情報などが分野を横断して提供されるシステム「イコピタ」を開発した。

 「イコピタ」は、ユーザーの性別や年齢、趣味嗜好、システムの利用履歴を手がかりに、個々のユーザーがその時、その場所で求める情報を分野を横断して選び出すというもの。

 今回のシステムは3つの大きな特徴がある。1つめは、分野の異なるコンテンツプラバイダーが提供する情報を独自の共通フォーマットで定義する技術。2つめは、ユーザーの分野選好度と分野内の情報選好度を同時に推定し、分野横断したコンテンツを推薦する技術。3つめは、ユーザーの利用シーンに応じた好みの変化を考慮してコンテンツを推薦する技術となる。

 推薦するロジックはKDDI研究所が開発したもので、タクサシステムズは、900万件以上の生活行動情報を分野横断で共通フォーマット化し、一元化されたデータベースサービス「街ing」を提供した。

 なお、KDDI研究所では、一般携帯ユーザー500名を対象に、6日間のモニター実験を実施した。その結果、「やや満足(36.1%)」「満足(21%)」「とても満足(3.4%)」の合計が全体の60.5%になった。このほかの項目は、「やや不満(24.2%)」「不満(13.8%)」「とても不満(1.7%)」。

 また、推薦内容の個人対応度については「まあ自分に合っていた(40.4%)」「自分に合っていた(26.6%)」の合計が全体の67%、「あまり合わなかった」は23.3%、「合っていない」は9.7%となった。

 KDDI研究所とタクサシステムズでは今後、レコメンデーションロジックの精度向上や、一緒に行動する人のことを踏まえたレコメンドも可能にしていく方針。近い将来、携帯電話やFMBC(Fixed Mobile and Broadcasting Convergence)などに対応した情報配信サービスとして実用化を目指していく。

 

(津田 啓夢)

2010/5/24 18:13