フルHD撮影対応の防水スライドヨコモーション「F-06B」


F-06B(CYAN)

 「F-06B」は、Wi-FiとフルHD動画撮影に対応する、富士通製のハイエンドFOMA端末。タッチ操作にも対応。「スライドヨコモーション」デザインを採用しつつも、防水仕様となっている。高機能なハイエンド志向のPRIMEシリーズのモデルで、6月に発売の予定。

 ディスプレイ部が上下にスライドするだけでなく、90度回転してT字型にもなることで、ディスプレイを縦でも横でも使える、「スライドヨコモーション」のデザインを採用する。閉じた状態から開いた状態へと縦にスライドしたあと、そこから画面が90度回転しつつ、ディスプレイ中央あたりがキー側の中心線にくるように少しスライドする。同様のヨコモーションスライドデザインは、2009年のF-09Aでも採用されている。スライドを閉じるとカーソルキーなども隠れる、いわゆるフルスライドタイプとなっている。

 ディスプレイはタッチパネル仕様になっていて、画面を指でタッチすることによって操作が行える。タッチ操作はスライドを閉じていても開いていても可能だが、スライドを閉じている状態でも、ほとんどの操作をタッチだけで行える。タッチ操作は、F-09Aと同様に、画面上のアイコンをタッチするなど、直感的なスタイルとなっている。また、手書き認識による文字入力にも対応する。

 スライドを閉じている状態では、加速度センサーにより本体の傾きを検知し、画面表示の縦横が自動で切り替わる。タッチパネルは静電容量式で、指での操作は可能だが、スタイラスなどでの操作はできない。マルチタッチ操作にも対応している。

 タッチ操作時もキー操作時と同じメニュー表示となっていて、指でタッチしやすいようにアイコンなどが大きめにデザインされている。唯一、待受画面にタッチ専用のランチャーメニューが用意される。本体のスライドを閉じると、すべてのキーが隠れるため、ソフトキーに相当するアイコンが画面下に表示されるようになっている。このソフトキーを表示しても全体の情報表示量が減らないように、通常のフルワイドVGAよりも縦に長い、480×960ドットのディスプレイを採用している。

 無線LAN機能(Wi-Fi)を搭載し、アクセスポイント経由でインターネットに接続できる。Wi-Fiは最大54MbpsのIEEE802.11gに対応。さらにF-06B自体がWi-Fiアクセスポイントとなり、FOMAのインターネット回線をゲーム機などのWi-Fi機器と共有することもできる。簡易設定機能としては、AOSSに対応している。

 カメラには1320万画素のCMOSを搭載で画角は28mm相当。動画撮影機能では、解像度1920×1080ドットの、いわゆるフルHDの動画を撮影可能。フルHD動画は秒間24フレームで、ビットレートは14Mbps、フォーマットは3GPPとなる。1280×720ドットのHD動画も撮影可能。このほか、QVGA解像度では4分の1倍速再生のスロー動画も撮影できる。HDMIやDLNAなど、撮影した動画を外部機器に出力する機能は持たず、microSDカードによる持ち出しのみとなる。

 静止画撮影機能では、顔認識・識別の機能があり、あらかじめ登録された顔に優先的にピントや露出を合わせる「サーチミーフォーカス機能」や笑顔に連動してシャッターを切る「スマイルファインダー」などの機能を搭載している。集合写真を撮る際、フル解像度の7枚連写の中から、ブレや笑顔レベル、「まばたき」などを判断してもっとも良い1枚を選ぶ「ベストショットセレクト」という機能もある。また、撮影画像を登録した顔で検索する「サーチミーアルバム」機能も搭載している。

 動く被写体を自動で認識してピントを合わせ続ける「トラッキングフォーカス」にも対応。ISO25600相当の高感度撮影に加え、広角高輝度LEDのフラッシュも搭載する。インカメラは32万画素のCMOS。画像処理システムには富士通のMilbeautのケータイ版である「Milbeaut Mobile」を搭載する。

 防水仕様となっていて、噴水を浴びたり水没したあとにも動作するIPX5等級とIPX7等級に加え、水深1.5mまでの水中でもカメラ撮影などが可能なIPX8等級にも対応する。富士通は過去にも防水端末を出したことはあるが、ヨコモーション系のデザインで防水仕様を採用するのは初となる。ただしスライドデザインということもあり、防塵性能は持たない。

 電子辞書機能を搭載していて、広辞苑やリーダース英和辞典、新漢語林など29個の辞書コンテンツを内蔵する。さらにマルチメディア辞書がDVDとして同梱されていて、microSDカードを用意してインストールすることで、映像や音声も利用できる。マルチメディア辞書は「2GB以上のメモリカードでの利用を推奨する」とのこと。

 加速度センサーと地磁気センサーを内蔵し、地図アプリで本体の方向に合わせた表示を行ったり、腰にケータイを付けてゴルフの素振りをすると、そのスイングを診断する「ETGAスウィングレッスン」機能を搭載する。FMトランスミッターを搭載し、F-06Bの音声をカーラジオなどに出力できる。

 今夏モデルでドコモが実施した使いやすさ改善の施策としては、LifeKit(便利ツール)や設定などのメニュー構成の改善、メニュー内リストでのアイコン表示、ソフトキーの配置統一、長押し機能の印字の4点すべてに対応する。

 GPS機能を内蔵し、各種GPSの機能・サービスを利用可能。iコンシェルや新サービスの「iBodymo」など、ドコモのサービス・機能にはほぼ対応している。W-CDMA・GSM方式をサポートし、下り最大7.2Mbps、上り最大5.7MbpsのFOMAハイスピードが利用できる。

 このほかの機能としては、Bluetoothを内蔵し、指紋センサによる指紋認証機能も搭載している。対応メモリカードはmicroSD/SDHCカードで、最大16GBまで対応する。

 日本語入力システムについては、従来の富士通製FOMA端末では、ATOKが採用されることが多かったが、F-06BではiWnnを採用している。基本的なプラットフォームは従来の富士通端末と同じくSymbianベースだが、ドコモの共通仕様であるオペレーターズパックが採用されている。

 大きさは115×51×17.1mmで、重さは139g。ボディカラーCYAN、WHITE、BLACK。連続待受時間は約690時間で連続通話時間は250分(ともに3G時)。


WHITEBLACK

 



(白根 雅彦/津田 啓夢)

2010/5/18 14:01