ベネッセ、ソフトバンク網利用の中高生向けMVNOサービス


 ベネッセは、中高生が安心、安全に利用できるよう、段階的なフィルタリングや時間帯/曜日による機能制限などを備えた携帯電話サービス「ベネッセモバイルFREO(フレオ)」を提供する。申込受付期間は2月9日~5月15日。

 「ベネッセモバイルFREO」は、中高生の進研ゼミ会員向けに提供される携帯電話サービス。“FREO”とは、自由を意味する古英語で、ユーザーである子供が「自ら考えて、安全に携帯電話を使いこなせるよう支援する携帯電話」というコンセプトから名付けられた。ベネッセが電気通信事業者として、ソフトバンクモバイルのネットワークやサービスを卸契約で調達し、再販する形で提供される。また、ソフトバンクテレコムが端末の貸出/業務委託を行う。従って、ユーザー(進研ゼミ会員の子供を持つ保護者が契約者)はベネッセと契約することになる。

 利用料は月額5950円。端末のレンタル利用料や無料通話分(1050円)、パケットし放題などが含まれる。ソフトバンクモバイルユーザーのうち、ホワイトプランユーザーとの通話料は、1時~21時は無料。ベネッセモバイルFREOユーザー同士の通話料も無料となる。利用料の決済は、契約者名義のクレジットカードのみ。進研ゼミの料金とは別の決済となる。同社Webサイトで申し込むと、書類が郵送され、申込書と本人確認書類のコピーを送付する。

 携帯電話は、25カ月のレンタル契約で提供される。25カ月経って解約の連絡をしなければ、それ以降は24カ月契約の自動更新となる。更新時には進研ゼミ会員番号が必要となる。中途解約は可能だが、25カ月未満で解約すると回線契約解除料1万500円、携帯端末解約違約金1万円が発生する。27カ月目以降の中途解約では回線契約解除料1万500円のみ発生する。25カ月目/26カ月目、あるいは50カ月目での解約は契約満了のため追加料金は発生しない。また端末はレンタルのため、契約満了/中途解約時には返却することになるが、返却しなければ別途料金が発生する。

 ベネッセでは、「今の社会では、携帯電話の利用は避けて通れないようになってきている。その中で、だんだんと正しい使い方を身につけながら、少しずつ制限を解除し、子供自身が携帯電話の使い方をコントロールできるようなサービスを提供することにした」としている。

端末は840SH、独自のフィルタリング/機能制限

840SH

 ベネッセモバイルFREOで提供される携帯電話は、シャープ製「840SH」(ボディカラー:ホワイト、ブラック、ゴールド、ピンク、ビビッドピンク、ブルー、グリーン)となる。同機種は、1月28日時点では未発売のため大まかなスペックが公開されている段階だが、ソフトバンクテレコムによれば、ベネッセと共同開発したモデルとのことで、一般に市販される「840SH」とベネッセモバイルFREOの「840SH」ではやや異なる仕様になる。

 特徴的なサービスとして、曜日・時間による機能制限カスタマイズが用意される。これは、通話やメール、Webブラウザを利用できる時間帯を指定できるもの。たとえば「土日は自由に使えるものの、平日は17時~翌朝6時までメールや通話が利用できない」といった設定ができる。曜日・時間で制限できるのは、通話発信、メール(SMS/S!メール)、Webブラウザとなる。S!アプリ、テレビ電話、赤外線通信、カメラ。PCサイトブラウザは、曜日・時間は指定できないものの、利用できないよう設定できる。モデム機能は制限対象外だが、取扱説明書などで注意を促す。また利用制限中も通話着信は利用でき、110番など緊急通報もできる。

 フィルタリング機能も「ベネッセモバイルFREO」ならではの仕組みとなっている。フィルタリングは、レベル1~6の段階制となり、レベル1では、携帯電話向けWebサイトには一切アクセスできないが、レベル3ではYahoo!きっずに、レベル6では無制限にアクセスできる。携帯電話を持って6カ月以内程度であれば、レベル1、所有して1年程度であればレベル2、小学生~中学生はレベル3、中学生はレベル4、高校生はレベル5と目安も示されている。ソフトバンクモバイルでは、2009年8月から高校生向けのフィルタリングレベルを用意しているが、「ベネッセモバイルFREO」は所有期間にあわせたレベルを新たに提供することになる。

 設定は、端末かパソコン向けサイトから変更できる。

携帯向けコミュニティサイト「cal-fee」

 このほかベネッセでは、携帯向けコミュニティサイト「cal-fee」(カルフィ)をオープンした。進研ゼミ会員やベネッセモバイルFREOユーザー以外も利用できる。主に中学生、高校生向けのサイトだが、小学生は利用できない。利用料は無料で、URL入力でアクセスできる。

 「cal-fee」では、学校の友人など現実で面識のある人同士が交流を深められるよう提供されるサービス。「トモダチリスト」に登録した人とコミュニケーションでき、スケジュール管理/共有ができる。3月上旬より提供される「Openスケジュール」と呼ばれる機能では、オープンキャンパスや学園祭など一般に公開されているイベントなどの開催情報を登録できる。また写真を共有できる「フォトアルバム」、写真を加工できる「デコフォト」、公開設定などを変更できる「自分の部屋(My)」、同じクラスのメンバーなどへ一斉配信/公開できる「メンバーみんなの部屋(Room)」といった機能も提供される。

 



(関口 聖)

2010/1/28 13:56