misora説明会、「心地よく、優しさを感じる形を追求」


 KDDIは、iidaブランド第2弾となる端末「misora」の発売日が発表されたことを受け、都内で記者向けに体験・説明会を開催した。misoraの実機が展示され、触れられるようになっていたほか、担当者が登壇してコンセプトや世界観を説明した。

misoraAROMA STRAP

 

シンプルで飽きがこないデザイン

KDDI コンシューマ商品統括本部 サービス・プロダクト企画本部長の増田和彦氏

 KDDI コンシューマ商品統括本部 サービス・プロダクト企画本部長の増田和彦氏は、iidaブランドの概要や、ブランド立ち上げからの状況が報告された。

 増田氏によれば、第1弾端末「G9」は発売から2週間はauの総販売数で1位を獲得したほか、同時に限定発売したACアダプター「midori」は1週間で完売したという。同氏はこれらから、iidaの取り組みに対して「一定の評価をいただいている」とした。

 新たに発売される「misora」は、iidaブランド立ち上げと同時に発表されたが、大きくアピールされていなかったため、その世界観やコンセプト、ターゲットを説明するために開催されたのが今回の体験会ということになる。増田氏は「上質なデザイン・質感の中にも、感情に訴える部分が残っている」とmisoraについて紹介し、ターゲットについては「シンプル志向のユーザー向けで、積極的なシンプル志向の、30代の女性がターゲット。長く使えて、定番で、操作性が良いといった点にこだわり、デザインはシンプルで飽きがこないのが特徴になっている」とした。

 また、iidaのこれまでの周辺機器への取り組みも高く評価されているとし、misoraでも「AROMA STRAP」を投入することを紹介。「香りを含めて、misoraの世界観を楽しんでもらえれば」と周辺グッズのユニークなコンセプトについて語った。

misoraのターゲットAROMA STRAPの概要

 

水や空に触れて、一緒にいるような気持ちで

KDDI プロダクト企画部 デザインプロデューサーの小牟田啓博氏

 KDDI プロダクト企画部 デザインプロデューサーの小牟田啓博氏は、iidaの取り組みに対して、「現在は、携帯電話でもデザインというニーズが固定化されている。そのひとつの回答が、iidaというブランド化だった。ビジュアルやインパクトだけでなく、人が生活する上で、能動的に、楽しく味わってもらうもの」とブランド化の経緯やコンセプトを説明した。

 misoraについては、「いわゆる“デザイン”の感覚からすると、説明が必要なほど普通のたたずまい」とそのオーソドックスなデザインに触れ、「シンプルであること。テイストとしてのシンプルだけでなく、例えばお椀のように毎日使えて、手が知っている心地よさや、石けんのように使い込めば手の形が残っていくような、使った跡が形状になるような、そういうシンプルを追求した」と、シンプルなテイストの中に込められたこだわりを解説した。

misoraのキー面

 キー部分についても、「当たり前のように当たり前のキー配置になっている」と多くのユーザーが使い慣れたキー配置にこだわった様子を紹介。指紋が残りにくい処理が採用されていることも明らかにされた。

 ボディカラーについては、misoraの名前の由来にもなっている「水」と「空」を挙げ、「知らない人はいないものをモチーフにした。そういったものといつも一緒にいる気持ちで、misora接してもらえれば」と解説した。whiteは雲、pinkは夕暮れの海、blackは月明かりに照らされた夜の海をテーマにしており、周辺グッズとして発売される「AROMA STRAP」についても、これらのテーマをイメージした香りがセレクトされている。

 

幅広いラインナップでiidaを表現

 質疑応答では、「G9」に代表されるiidaのラインナップの方向性、今後の展開に質問が及んだ。増田氏は、プラットフォームにミドルクラスの端末に採用する「KCP」を採用したmisoraについて、「プラットフォームでどう、ということではなく、シンプルというものを打ち出しており、商品コンセプトが重要」と説明し、今回は機能ではなくコンセプトや世界観を重視したという方針を明らかにした。小牟田氏は「トレンドスペックを必ずしも追いかけているわけではない。misoraなら、あえてスペックもデザインしたというもので、コンセプトに合致するものを選んでいる」と、仕様についても世界観を重視して選択していることを説明した。

 一方で、シンプル志向のmisoraが登場したことで、「世界観、ラインナップに広がりができた」(増田氏)とし、「今後も、機能やデザインにとがったものをラインナップするが、いわゆる普通のラインナップもある。そういったラインナップの広がりでiidaを表現し、どちらかに偏ることはない。今後続々と発表されるラインナップを見ていただければ、理解してもらえるのではないか」と、多くのモデルを提案していく中でiidaの世界観を実現していく姿勢を示した。

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(太田 亮三)

2009/6/25 17:15