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「arrows Alpha2」はメモリー高騰下で9.4万円~、「手が届くハイエンド」を実現できた理由
2026年8月18日 19:57
FCNTは18日、「arrows Alpha2」商品戦略発表会を開催した。「『arrows Alpha2』はどのような狙いで開発されたのか」「メモリー価格高騰に対するFCNTの考え方」などが、開発担当者から語られた。
FCNTの総力を結集した“自信作”
代表取締役社長の桑山泰明氏は、「arrows Alpha2」の開発について「大変だった。すべての商品でいつも苦労しているが、今回は特に大変だった」と振り返る。しかしながら、今回の製品に対しては「FCNTができるベストな力を結集した“自信作”になっている」と胸を張った。
製品開発を担当する統合マーケティング戦略本部長の外谷一磨氏は、今回のテーマを「AI新時代のニューノーマルに『手が届くハイエンド』への挑戦」と挙げた。近年、半導体の価格上昇が著しく、スマートフォンでは特にメモリーの価格が急騰しており、端末価格に響いている。
同社も例に漏れずメモリー価格の高騰を受けており、先代モデルの「arrows Alpha」からスペックを下げずにいかにして価格を抑えるかに苦慮したという。外谷氏は「AI事業の拡大により、メモリー価格が高騰している」とコメント。本来すべてのユーザーがあまねく受けられるべき「AIの恩恵」が、端末価格高騰で一部ユーザーしかその恩恵を受けられないという「新たなデジタルデバイド」を生み出してしまうかもしれないと外谷氏は指摘し、「手が届くハイエンド」を目指して開発を進めたとした。
「arrows Alpha」の振り返り
ところで、先代モデル「arrows Alpha」はどのような機種だっただろうか。外谷氏は、同機について「8万円以上のオープンモデルスマートフォンで販売台数1位を達成した」(2025年7月~2026年6月)と説明した。ユーザーからも「arrowsのハイエンドが戻ってきた」という声もあり、「ユーザーと共に手が届くハイエンド市場を作れた」と評価する。
実際に「arrows Alpha」を購入したユーザーのうち、同社調べによるとおよそ3割のユーザーが10万円以上のハイエンドモデルから機種変更している。ハイエンドモデルの価格上昇についてこれなくなったユーザーの受け皿としての機種になっていると外谷氏は分析する。また、全体の2割は、ローエンドモデルからのステップアップとして購入されていることもわかった。
加えて、購入者の6割が前機種がFCNT製スマートフォンではなかったといい、ユーザー層の拡大にも成功したとしている。
「arrows Alpha」にはなかった「メモリー高騰」
同社としても成功を収めた先代モデル「arrows Alpha」だが、今回の「arrows Alpha2」の開発では、先代モデルの開発時にはなかった「メモリー価格の高騰」が大きな壁になった。
外谷氏は、価格を維持するための対応を社内でも検討したと説明する。「スペックを下げたり機能を削ったりする」「arrows Alphaを継続販売する」などさまざまな検討がされたと話す。
市場調査を見てみると、9割以上のユーザーが物価高騰を実感しており、8割のユーザーがスマートフォン価格の高騰を実感しているという。外谷氏は「ユーザーが価格高騰を実感しているからといって、その理解に甘えてスペックを下げる選択肢はあるのか」と考え、次に「ユーザーがスマートフォンに何を求めているか」を分析したという。
調査を見ると、ユーザーは「多少価格が高くなっても、今持っているスマートフォンと同等以上のスペックを求めている」というのが見えてきた。端末価格の中でも大きい部分を占める「チップセット」の性能を下げることも考えたが、「チップセットの性能を特に気にするユーザーが多い」実情を踏まえ、チップセット選定にこだわったと語る。
そこで、「arrows Alpha2」では、近年の買い換えサイクルの基準となりつつある「4年」のサイクルに着目し、4年前のハイエンドユーザーが利用するチップセットの性能を上回るチップとして「Dimensity 8350 Extreme」を採用したという。
また、メモリーについても、価格高騰を抑えるべく「8GB搭載モデル」を用意した。外谷氏は、8GBモデルの展開に「大きな葛藤があった」としつつも、「ユーザーの選択肢を増やしつつも体験価値を損なわない」よう、本体のストレージを使ってメモリー領域を最大16GBまで拡張する機能を備えるなど、メモリー12GBモデルに迫る“ハイエンド体験”を提供できたと説明する。
デザインと堅牢性を両立
また、堅牢性については、第三者機関の調査で「世界196カ国で展開される10mm以下のスマートフォン」で堅牢性世界ナンバーワンを獲得した。外谷氏は「堅牢性を訴求する端末は数多くあるが、評価基準はメーカーで異なる。本当に頑丈な端末ということをユーザーにわかりやすく紹介したい」と世界一にこだわった理由を話す。
マーケティング統括部担当部長の高橋知彦氏は、堅牢性を上げながらもデザイン性を向上させたと語り、「カバーガラスの変更やリアパネルの素材をグラスファイバーにしたことで、より堅牢性を保ちながら、ディスプレイ面を狭額縁化できた」と説明する。また、先代モデルのディスプレイ端にあった曲面にも不満の声があったといい、arrows Alpha2では端までフラットなデザインにしつつ、サイドフレームの端を面取りし、手触りがよいデザインにしたと説明した。
さらに、arrows Alpha2では、水中での撮影機能を搭載した。高橋氏によると、通常の防水性能試験では水中でのキー押下試験は実施しないといい、通常の構造では水中でキーを押すと水没する危険性があるとし「特殊な止水構造が必要だった」と語る。
機能面ではほかにも、背面のメインカメラにソニー製の「LYTIA 710センサー」を新たに採用し、低照度環境におけるノイズの発生を15%抑制したほか、HDRビデオに対応し、より詳細なディテールを収められるようになった。また、4K60fps対応となった動画撮影がより長時間利用できるよう、arrows Alpha2でもmicroSDカード(最大2TB)をサポートする。高橋氏は「microSDカード対応端末が希少になってきている」なかで、ユーザーの多くが満足していると、microSDカード対応へのこだわりを説明した。
ずっと使ってもらえる「ヘルスケア機能」へ
先代モデルの中でも、当初評価が分かれた機能の1つに「ヘルスケア機能」とりわけ「自律神経測定機能」が挙げられる。先代モデルが発売された当初は、「2分間の測定時間が長い」「直近で2回測ると違う結果となり信用できない」「数字を見てその意味がわからない」といった声があり、筆者も同様の意見を感じていた。
マーケティング統括部副統括部長の正能由紀氏は、同様の声が上がっていたのは同社でも認識していたと説明する。これらの不満点を解消すべく、同社では機能改善を継続的に進めている。
たとえば、測定時間や計測精度については、2月のアップデートにより時間の短縮化(2分→1分)と精度の向上化に成功した。
さらに、arrows Alpha2が発売される27日にあわせたアップデートでは、計測結果を分析する機能が搭載される。測定結果とユーザーデータ、天候や時間帯などを踏まえたアドバイスなど、数字だけでなくわかりやすい文言で計測結果を案内してくれるという。生活習慣のアドバイスも受けられ、自分に合った無理のない範囲で自律神経を整える行動に移せると正能氏はアピールする。
徹底的な「コストダウン」で10万円前後に抑える
外谷氏は、価格を抑えながらも体験価値を向上させるため「FCNTができるすべてを尽くした」と語る。具体的な言及は「企業秘密」と避けたものの、「部材調達から設計、生産、製造時の歩留まりなど、ありとあらゆる工程を見直した」と説明。その結果、メモリー価格高騰分を除き、先代モデル比で原価を10%下げることに成功したという。
「削ったのは、ユーザーの体験価値ではなく、FCNTのコスト」と外谷氏は強くアピール。販売パートナーとの協議も丁寧に進め、今回の価格発表にこぎ着けたと、価格に対して自信を見せた。
- オープンマーケット版(SIMフリーモデル)
8GB+256GB:9万4900円
12GB+512GB:11万8800円 - NTTドコモ
8GB+256GB:11万6600円
12GB+512GB:13万6950円
いつでもカエドキプログラム利用時の負担額(プログラム利用料含まず)
8GB+256GB:8万960円~
12GB+512GB:9万4710円~ - 楽天モバイル
8GB+256GB:8万5900円
12GB+512GB:10万9990円 - IIJmio
8GB+256GB:9万4900円
12GB+512GB:11万8800円
のりかえキャンペーン適用時の価格
8GB+256GB:6万4980円
12GB+512GB:9万9800円 - KDDI(au Flex Style)
8GB+256GB:9万4900円
12GB+512GB:11万8800円 - ソフトバンク(SoftBank/Y!mobile Free Style)
8GB+256GB:9万4896円
なお、すべての販路を対象としたキャンペーンを実施する。同機を購入し応募したユーザーから先着2万人に、5000円相当のギフトカードと90W給電対応の純正急速充電器が進呈される。8月26日までにキャンペーンサイトで事前エントリーしたユーザーには、5000円分のギフトカードが追加で進呈される。
今後メモリーが高騰しても「価格は維持したい」
発表会後の質疑でも、メモリー価格高騰への影響を危惧する質問が続いた。メモリー価格の高騰は、「これまでとは全く異なる市場環境」と外谷氏は指摘し「ハイエンド、ミッドエンド、ローエンドという区分けが過去の言葉になるくらいに体験価値が変わってきている」と語る。
高橋氏も「時代によって重視される性能が変わってくる。昔はカメラ性能が重視されてきたが、買い換えサイクルが長期化してくるなかで、OSのアップデート保証がより一層重視される時代になるかもしれない」とし、「手が届くハイエンド」の定義は、単なるチップの性能ではなく、ユーザーの体験価値に重きを置いたテーマだと強調する。
レノボグループとの関わりについて外谷氏は「調達力について、他社の状況がわからないので、価格に与えた影響についてはわからない。ただ、レノボグループのサプライチェーンでも、メモリー価格は上昇している」と説明する。ただし、グループとしての調達力は持っていると評価し、「メモリーの調達が困難な環境下でも、らくらくホンやWeシリーズなど途切れずに製品を提供できるのは、メモリーが調達し続けられる前提で計画しているもの」とコメントした。
今後のメモリー価格高騰が、同機の価格に与える影響を問われた外谷氏は「先代モデル(arrows Alpha)を出し続ければ、安くなる(発売当初の価格で提供できる)とはならない」と前置きした上で、「価格を維持できる需要予測を立てると共に、販売パートナーとも協議している。気持ちとしては、価格を上げずに提供し続けたい」と語った。
ウェアラブルやフォルダブル端末の展開は
ウェアラブル端末やフォルダブルスマートフォンのような、新たなタイプのデバイスは、今後登場するのだろうか。
外谷氏は「検討している」としながらも「まずは、arrows Alpha2のリリースに向けてリソースを集中させた」と答えた。フォルダブルスマートフォンについては「素晴らしいと思う」としながらも「検討のスコープには常に入っているが、価格や提供できる価値を踏まえて、優先度を高くしてやるべきか、タイミングを見ている状況」とした。
一方、ウェアラブルデバイスについては「タイミングを持って展開していきたい。今回あわせて発表したいぐらいの気持ちで検討してきた」と前向きな姿勢を示した。





























































