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NTT株主総会、ドコモ品質への厳しい声や次世代通信「IOWN」で示す反転攻勢への道筋
2026年6月18日 14:09
NTTは18日、第41期定時株主総会を開催し、NTTドコモの通信品質改善策や金融事業の強化、次世代通信構想「IOWN」の進捗状況などを明らかにした。ドコモのネットワークインフラ立て直しを急ぎつつ、成長基盤となる金融事業を拡大する。
通信品質の改善と顧客対応の課題
モバイル通信品質の向上を最重要課題と位置づけ、昨年度は総数1万2000の基地局を増設した。利用が集中する時間帯でも主要都市中心部で100Mbps以上を達成できる地点が増加したほか、山手線や大阪環状線といった主要鉄道路線での快適な通信環境も大幅に改善したという。
今年度は昨年度以上の基地局増設を実施し、早期の品質改善に取り組む。今後は3Gサービスの終了に伴って活用可能となった周波数の有効利用や、AIを用いた通信状況の分析最適化を進める。
株主からの質疑応答では、広告宣伝費の増加などで利益が伸び悩むドコモの収益向上策について問う声が上がった。NTTドコモの藤城夏子副社長は、「顧客基盤の維持・拡大とネットワーク品質の強化を何よりも優先する重要課題と位置づけ、懸命に取り組んでいる。将来の成長のために必要なコストを集中投下し、最後までやりきる」と答えた。
一方で、現場の顧客対応に関する指摘も上がった。質問した株主は、ドコモショップで回線契約をしたところ、「dカード GOLD」のクレジットカード機能に関する十分な説明や意思確認がないまま契約を進められたという。最終的に契約しないことになったが、同様の勧誘をしているのではないか、という質問に対し、藤城氏は説明不足を謝罪し、グループ全体で適切な顧客対応が行われるよう改善を約束した。
また、企業への問い合わせに用いられる「0570」から始まるナビダイヤルの課金体系についても疑問が呈され、今後のサービス向上の参考にするとしている。
次世代光通信「IOWN」の進捗とAIインフラ構築
今後の成長を担うIOWN構想については、APN(オールフォトニクスネットワーク)と光電融合デバイスの社会実装を加速させる。APNは既存サービスの設備更新に合わせて2027年度までに全ての県庁所在地へ展開し、2030年に向けて全国への面的拡大を目指す。
光電融合デバイスに関しては、ボード間接続を実現する「PEC-2」の商用提供を2026年度中に予定。ブロードコムなどの世界的半導体事業者やハイパースケーラーとの連携体制を構築し、エコシステムを拡大していく。
株主からNVIDIAなどの圧倒的な資金力を持つ企業との競争について問われると、NTTの星野理彰副社長は「IOWN構想の発表当初は光電融合デバイスは不要と言われていたが、各社が参入してきており我々が先頭を走っていると認識している」と自信を見せる。次世代の「PEC-3」についても国の支援を受けながら、性能向上と生産性向上に向けた検証を進める。
株価低迷への対応と業績改善による還元策
質疑応答では、低迷する株価に対する意見も飛んだ。「ドコモ光」を株主に無料提供する優待の新設や、経営陣が自身の保有株式にかかる配当金を辞退し、その分を一般株主への増配に回すべきではないかという提案が出た。
これに対しNTTの廣井孝史副社長は、増配の継続や定期的な自己株式取得の実施により、株主への総還元性向は高い水準にあると説明。一方で、現在の厳しい株価については経営陣一同が重く受け止めていると語った。
株価上昇の最大の原動力は業績改善にあるとし、AIやデータセンター、金融といった成長事業への集中投資を継続。これらの領域ではすでに一定のリターンが出始めているという。足元で悪化傾向にあるモバイルを中心としたネットワーク事業の経営基盤を立て直し、安定的な利益を創出することでリターンを拡大し、中長期的な株価上昇を図る方針だ。



