ニュース
「Netflix」が日本で10周年迎える、次のステージは「ライブ配信」
2025年9月4日 20:32
映像配信サービスの「Netflix」(ネットフリックス)が日本でのサービス開始から10周年を迎えた。記念して、5日から東京都・渋谷で「Netflix 10周年アニバーサリーセレブレーション」が始まる。
イベントに先立ち4日、東京都内でNetflixのクリエイターらがこれまでと今後を語る「Netflix Creators' Spotlight」が開催され、Netflixの幹部らが次の時代に描くビジョンを示したほか、Netflixで作品を手がける映像監督や俳優などが、Netflixにおけるコンテンツ作成のこれまでとこれからについて語った。
10周年の節目、次は「ライブ配信」に
Netflixが日本でサービスを開始したのは2015年。同社のアジア進出にあたり拠点を日本に構えたとNetflix 共同最高経営責任者のグレッグ・ピーターズ氏は振り返る。「人々が親しみを込めて『ネトフリ』と呼んでくれることは、とても大きな意味がある」とピーターズ氏。同社によれば現在、日本では1000万を超える世帯がNetflixユーザーとなっている。
10年という節目を迎えたNetflixの次の挑戦は「ライブ配信」だとNetflix コンテンツ部門 バイス・プレジデントの坂本和隆氏は話す。Netflixでは過去にも、F1の舞台裏やツール・ド・フランスを作品として配信してきた。坂本氏は「選手の持つ人間ドラマや情熱に焦点を当てたい。そして、スポーツで誰も見てこなかった景色を表現したい。ライブ配信はその延長線上で10周年を迎える我々にとってとても大きな挑戦」と語る。
新たな挑戦の幕開けとなるのが「2026 WORLD BASEBALL CLASSIC」。同社は8月、日本国内における2026 WBCの独占ライブ配信権を取得したことを発表した。2026年開催の全47試合をライブ配信で視聴でき、地上波放送で中継はないという。
坂本氏は「リアルタイムで熱狂を届け、人々の距離を縮め、心を揺さぶる。その未来を作り手と受け手とともに築いていきたい」と熱意を示した。
クリエイターとNetflix
イベントには、Netflixで作品を手がける監督や俳優らが登壇。Netflixとの出会いや今後の作品などについて語った。
映像ディレクターの大根仁氏は、自身が手掛けた作品「地面師たち」が、テレビ・映画でなかなか企画が通らなかったところ、Netflixではほぼ即決のようなかたちで話が進んでいったことに「スピード感が違う」と文化の違いに衝撃を受けた体験を語る。
また、日本のコンテンツを世界中の人々に見てもらえることをNetflixの魅力のひとつであると、俳優・クリエイターの山田孝之氏。「言語が違うと文化も違う。英語を学んでも(英語で自分の)本来の芝居はできない。それが日本語で日本の題材で出せるとなると、良くも悪くも自分の実力を世界に出せる」とその魅力を話した。「全裸監督」出演後、海外で「Are you Netflix?」と聞かれた際「イエス!」と答えたと笑いを誘った。
テレビはさることながら、映画でも難色を示されるという難しい企画を作品化するなど、クリエイターにとって幅広い表現を可能にする場となったNetflix。クリエイターたちは今後、Netflixでどう作品作りと向き合っていくのか。
「坂道のアポロン」などの制作で知られるアニメ制作会社MAPPAの大塚学氏は、表現の幅や作品のテーマ性をどう広げていくかに挑戦する姿勢を示す。「Netflixでアニメに限らずいろいろな映像体験をしているユーザーの“虚を突く”ような作品を作り、世界に広げて社会現象的なものを生み出してみたい」と話した。
Netflix作品「My Melody&Kuromi」で脚本を担当した、劇作家・演出家の根本宗子氏は「演劇とNetflixでコラボができないか」と話す。「演劇の配信は生で見るものには敵わない。生で見るのとは全く違う面白さや配信の仕方をNetflixと考えられたら」と期待を寄せた。
9月5日からは、東京都の渋谷で「Netflix 10周年アニバーサリーセレブレーション」が始まる。期間は9月14日まで。10周年記念イベントは事前予約(一部入場自由)で、入場できる。スペシャルトークショーとNetflix作品「今際の国のアリス」グローバルファンイベントは、抽選で選ばれた当選者のみ参加できる。














