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Android 16 QPR2 Beta 1公開、初のマイナーSDKバージョン導入

 グーグル(Google)は、Android 16 QPR2 Beta 1をリリースした。今回のベータ版は、スマートフォンのほかフォルダブルやタブレットなど多様なデバイスに対応し、ユーザー体験の向上やアプリ開発効率の改善に重点が置かれている。

初のマイナーSDKバージョン

 大きな特徴のひとつは、Androidベータとして初めてマイナーSDKバージョンが導入された点。これにより、通常の年1回のサイクルにとらわれず、新しいプラットフォームAPIを迅速に追加できるようになる。変更は互換性に影響を与えない追加的な要素が中心で、アプリの大規模な再テストを必要としない。

UIとシステムエクスペリエンス

 UI(ユーザーインターフェース)やUX(ユーザーエクスペリエンス)の面では、アクセシビリティを意識したダークテーマの新しい拡張オプションや、自動テーマアプリアイコン、シェアシート表示中もアプリを操作できるインタラクティブなセッション機能が追加された。

ダークテーマの拡張オプション。ダークテーマでも明るく表示されるアプリのUIをシステムが反転する
自動テーマアプリアイコン。専用のテーマアイコンを用意していない場合、自動生成してくれる

 さらに、iOSからのデータ移行を容易にするクロスプラットフォームデータ転送APIや、PDF編集機能、複数ディスプレイの配置を認識するディスプレイトポロジーAPI、きめ細かな触覚フィードバック制御なども盛り込まれている。

メディアとオーディオの強化

 メディア関連では、オープンな空間オーディオ形式「IAMF(Immersive Audio Model and Formats)」のデコードサポートや、HDR/SDR輝度スライダーの追加など、音声と映像体験を強化する取り組みが進んでいる。

 また、接続性の分野ではBluetoothやWi-Fi RTT測距の機能拡張に加え、MediaRouterが進化し、車載ディスプレイやジムの機器など、より幅広いデバイスへのキャストが可能になった。

プライバシーとセキュリティ

 セキュリティ面では、新たに「セキュアロックデバイス」モードが導入され、「Find Hub」などからのリモート操作でデバイスを強制的にロックできるようになった。

 また、ログイン試行が複数回失敗した後に自動的にロックダウンする「認証失敗ロック」の有効無効切り替えや、生体認証のフォールバックオプション(パスワードやQRコードなど)の追加も行われている。

リリーススケジュール

 Android 16 QPR2ベータプログラムは8月から第4四半期にかけて実施される。プラットフォーム安定版は10月に提供され、その時点で最終的なSDKとNDKのAPIが確定する見込み。

 サポート対象のPixelデバイスを登録すればOTAアップデートが受け取れるほか、Android Studioのエミュレーターでも利用可能。開発には最新のAndroid Studio Canary版(Narwhal)の使用が推奨されている。