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日本エイサー、SIMフリースマホ「Acer Liquid Z530」
11月13日発売、21日から予約受付
(2015/10/21 13:00)
日本エイサーは、SIMロックフリーのAndroidスマートフォン「Acer Liquid Z530」を11月13日に発売する。10月21日からは予約受付がスタート。販売価格は2万5000円前後になる見込み。
「Acer Liquid Z530」は、カメラ機能やオーディオ機能に注力したAndroid 5.1のスマートフォン。フロント、リアともに800万画素カメラを装備し、音声で「セルフィー」と言うとフロントカメラに切り替わる。暗い場所でも鮮やかな撮影が可能という「ばっちりモード」も搭載される。
ハイレゾ音源対応で、3Dサウンドや重低音を表現するDTS Studio Sound技術が用いられている。なお、利用時には、USB接続の外部DACが必要となる。
このほか、Windows 7/8/10搭載パソコンとシームレスに接続できる「AcerEXTEND」をサポート。撮影した写真をパソコンと同期したり、Webブラウザや文書も共有できる。
5インチ、720×1280ドットのIPS液晶ディスプレイ、2GBのメモリ、16GBのストレージを備える。チップセットはMT6735で1.3GHz駆動のクアッドコアCPUとなる。最大32GBのmicroSDカードをサポートする。
LTEの対応バンドは、B1(2.1GHz)、B3(1.8GHz)、B19(800MHz)、B21(1.5GHz)、B28(700MHz)。2420mAhのバッテリーを内蔵する。Wi-Fi(IEEE802.11 b/g/n)、Bluetooth 4.0をサポート。大きさは約144×70.3×8.9mm、重さは約145g。ボディカラーはブラックとホワイトの2色。
Z530でシームレスな体験を
エイサーでは、パソコンやタブレットなどを手がける中で、スマートフォンも投入することで、デバイスの垣根を超えたシームレスな体験を特徴の1つとしてアピールする。
その“シームレス体験”を代表する機能が、Windowsパソコンと連携する「AcerEXTEND(エイサーエクステンド)」だ。QRコードを使って手元のパソコンとスマートフォンでペアリングしておけば、スマートフォン側で専用アプリを起動するだけで、パソコン上にスマートフォンの画面が表示される。表示だけではなく操作も可能で、コピー&ペースト、ドラッグ&ドロップでのデータ転送、あるいはパソコンのディスプレイ上でのフルスクリーン表示もできる。
21日の発表会では、日本エイサーのプロダクトマネージャーである宇佐美慶基氏からゲームアプリを使ってデモンストレーションが披露されたが、エンターテイメントだけではなく、オフィス文書などををスマートフォンに入れつつ、パソコンに表示してプレゼンもできるとアピール。既に他社のスマートフォンでも導入されている機能だが、多種多様な製品群をラインアップするエイサーらしさを象徴する機能でもある。
写真で見るZ530
デザイン性も「Z530」の特徴の1つとされる。エイサーでは、台湾に置くデザインスタジオで製品のデザインを策定している。「Z530」ではヘアライン加工と金属のような質感の背面パネル、あるいはカーブしたボディ、サウンド面をアピールするスピーカーなどで、エンターテイメント性と心地良さを兼ね備えるデザインに仕上げた。
カラーバリエーションのうちホワイトは、日本限定販売とのことで、海外では取り扱われないという。ユーザーインターフェイスでも、スタンダードなホーム画面のほか、アイコンを大きく表示する「イージーモード」、あるいは子供の利用を想定してデータの削除などを制限する「キッズセンター」といったアプリが用意されており、「Z530は“fun for everyone”がコンセプト。年齢にかかわらず誰もが楽しめるように、という想いを詰め込んだ」(宇佐美氏)のだという。
「Z530」で本格展開へ
エンターテイメント性を追求しつつ、手頃感のある価格帯で登場することになった「Z530」。日本エイサー代表取締役社長のボブ・セン氏は「エイサーは、日本市場において、Androidはもちろん、Windowsスマホの開発も表明した。(今回のZ530で)日本市場への本格参入を宣言する」と語り、今後、日本市場へ注力する方針を明らかにする。
セン氏は「今ごろになって参入か、遅くないか、と質問されることがある。日本は成熟したマーケットだが、コミュニケーション市場はこれから変革がもたらされ、より面白く、活性化していく。その中で一役買いたいし、マーケットを熱く、面白くしていきたい」と力強くコメント。MVNOでの販売も前向きに考えているとのこと。
エイサーのグローバルにおけるスマートプロダクトビジネスグループ責任者のS.T. リュウ氏は、1インチ~100インチまでさまざまな製品をラインアップを揃えるなかで、シームレス性が鍵であり、これからのデバイスはスマートさ(頭の良さ)からワイズ(賢さ)へと進化していくとの考えを示し、その根本には全てのものがインターネットに繋がることがある、と語る。
第2弾スマホを準備
プレゼンテーションでは一言も「Z530」の価格帯は明らかにされなかったが、2万5000円程度と見られる価格と、エンターテイメント性で日本市場へ切り込むことになった。
だが、「本格展開スタート」と銘打つだけあって、今回、日本エイサーの宇佐美氏は「第2弾を予定している」とコメント。具体的にどの機種が第2弾になるかは明らかにされなかったが、海外で発表された機種のうち、日本市場への投入を検討中という機種が披露される。
1つはゲーミングデバイスのPredetorシリーズのスマートフォンとタブレット。9月にベルリンで開催された発表会では、メディアテック製の10コア(デクタコア)CPU搭載というAndroidスマートフォン「Predetor 6」が発表されており、セン氏は「ゲーミングエリアは注力していく分野。まだ日本で展開していくか固まっていないが、グローバルでの発表以降、日本でも高い関心があるとのフィードバックを得ている。Predetorシリーズはスマートフォンを含めて、日本でローンチしていきたいと考えている」と前向きに取り組む姿勢を示した。
Windowsスマホ「Primo」も
さらにもう1つ、Windows 10 Mobile搭載スマートフォンの「Jade Primo」もデモンストレーションで披露された。これも日本語版が準備中で、日本市場での展開も視野に入れているという。
「Jade Primo」は「Predetor 6」と同じタイミングで発表された機種で、チップセットに「Snapdragon 808」を採用し、20メガピクセルカメラを搭載するハイエンドモデル。プレゼンテーション後のタッチアンドトライでは、実機を使って、Windows 10の特徴の1つで、デバイスに応じてユーザーインターフェイスを最適化する「Continuum(コンティニュアム)」をS.T. リュウ氏自らが披露する。
Primoをワイヤレスアダプタに接続すると、キーボードやマウス、モニターに接続した状態となり、モニター上にはWindowsパソコンのような画面が表示され、Primo内のデータやアプリを操作できる。その一方で、Primoをそのまま利用することもでき、実際にカメラを起動して写真を撮影、その写真をすぐモニター側でも操作して表示する、という流れも紹介された。エイサーでは、USB-C端子を3つ備えるドックも用意するが、今回のタッチアンドトライではドックを使ったContinuumは動作しなかった。