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新しくなった「HTC J butterfly」発表会
HTCチョウCEO、KDDI田中社長、乃木坂46が魅力を語る
(2014/8/19 20:40)
HTC NIPPONは、KDDIから発売されるAndroidスマートフォン「HTC J butterfly HTL23」をお披露目する「HTC Conference 2014」を都内で開催した。日本向けモデルだが、台湾やアジア地域でも展開することから、アジア各国からもメディアが取材に訪れた。
「HTC Conference 2014」では、HTCのCEO、ピーター・チョウ氏が登壇しHTCの戦略や端末の概要を語ったほか、ゲストとしてKDDI 代表取締役社長の田中孝司氏が登場、ピーター・チョウ氏との対談に臨んだ。HTC NIPPON 代表取締役社長の村井良二氏からは、「HTC J butterfly HTL23」の詳細として特徴的な機能が紹介された。
ステージではアンバサダーとして再び起用された「乃木坂46」も登場。こちらは初披露という、10曲目となるシングル曲をライブで披露。トークセッションでは新CMの収録を振り返ったほか、端末の機能についてもデモンストレーションを交えながら紹介した。
ピーター・チョウ氏「シンプルでピュアな体験を徹底」
冒頭にプレゼンテーションで登壇したHTC CEOのピーター・チョウ氏は、前モデルにあたる「HTC J butterfly HTL21」について「とてもいい反響をもらった」と振り返り、そうした勢いを加速する革新を続けてきたと語る。
新しい「HTC J butterfly HTL23」については、「元のHTC J butterflyのデザインを継承している。本当に美しいものだ」とし、デザインに注力してきた様子を語ったほか、目玉機能であるデュオカメラ、JBLブランドとのコラボによる音質への取り組みなども解説し、「日本のユーザーがHTC J butterflyを愛してくれることを期待している」と期待を寄せた。
KDDI田中社長が登場「気の利いた機能、ぜひ楽しんで欲しい」
続いてステージには、ゲストとしてKDDI 代表取締役社長の田中孝司氏が登場し、ピーター・チョウ氏とともに、司会者からの質問の答える形で端末の魅力を語った。
「HTC J butterfly」についての反響を聞かれると、チョウ氏は「香港など各地にたくさんのファンがいる。本当にワクワク感がある」とし、田中社長も「日本にはHTC J butterflyのファンが多数いる。早く次のモデルを出して欲しいと要望をもらっていた」とユーザーからの期待の高さを語る。
KDDIのネットワークについては、チョウ氏が「世界でもナンバー1。革新的なネットワークで感銘を受けている」と評価すると、田中氏はコミケに投入した「弱虫ペダル」仕様の車載型基地局や、社員によるコスプレ(と人間Wi-Fi)をスライドで紹介。「これは遊んでしまっている(笑)。バカみたいなことをやるというので動揺したが、まぁいいか、と同意した。ネットワークを維持するのとはあまり関係ないが」とユニークな取り組みを紹介した上で、「台風11号では南大東島と北大東島で33時間、発電機を動かしてネットワークを維持した」とまじめな取り組みも披露。キャリアアグリゲーションにも関わってくる2.1GHz帯のネットワークは、7月末時点の最新の情報として、カバー率が91%になったことも明らかにし、「WiMAX 2+」と合わせて「エリアだけでなくスピードでも期待に応えたい」と意気込みを語った。
田中氏は、「HTCはカメラにこだわっている。ハードウェアだけでなく、どういう風に使うか、研究されている。気の利いた機能をぜひとも楽しんで欲しい」とアピールした。
HTC NIPPONの村井社長が特徴的な機能を紹介
HTC NIPPON 代表取締役社長の村井良二氏からは、コンセプトや特徴的な機能の詳細が解説された。村井氏はまず外観デザインとカラーについて「我々は、とにかく妥協せずにデザインを作ってきた。(ボディカラーの)“ルージュ”は本当に光沢のある色。(白の)“キャンバス”は陶磁器のような繊細な色、新色の“インディゴ”は濃紺でグローバルで人気の色で、黒に代えて出した」とこだわりを紹介。
「デザインはユーザーとの直接のインターフェイス。持ちやすさ、使いやすさなどで、とにかく無駄を省いてきれいな形を作っていくのに非常に時間をかけた。HTCはもちろん、KDDIや小牟田さん(小牟田啓博氏)の協力を経て作ってきたのが今回のニューHTC J butterfly。手で触っていただければクオリティをわかっていただける」と村井氏は、デザインに時間をかけてこだわってきた様子を語った。
なお、村井氏は後の囲み取材の中でも、これまでに何度か端末の投入を検討したものの、デザインやスペックにこだわって、最終的にフルリニューアルさせた今回の端末に至ったとし、「予想以上に時間がかかった」と結果的に前モデルから時間が開いたことを説明している。
「デュオカメラ」については、メインカメラとして2つのカメラを搭載しているその役割について「その役割は人間の目とまったく同じ。2つ目のカメラはデプス(深度)センサーで、深さの方向を的確に図るセンサーになっている」と、中心になる要素を明らかにした。「UFocus」機能で、撮影後にピント位置を変えられる機能や、両目で捉えているかのような立体効果の機能、季節をテーマにしたアニメーション効果や、コピー&ペーストで手軽に合成できる機能なども紹介された。
村井氏からはほかにも、ユーザーインターフェイスの「HTC Sense」がバージョン6.0になっていると紹介された。「BLINKFEED」はキーワード登録で見たいニュースをまとめる機能が搭載された。「モーションローンチコントロール」では、ダブルタップで画面スリープを解除する機能や、上下左右のスワイプそれぞれにホーム画面やBLINKFEED起動といったショートカット機能が割り当てられていることが解説され、動きや簡単な操作でさまざまな機能を飛び出せる様子が披露された。
このほか、緊急時に電池を長持ちさせるという、省電力機能をさらに強化した「EX省電力モード」、「こだわりすぎて時間がかかった」というプリインストールされる壁紙、JBLブランドとのコラボについても紹介された。
村井氏のプレゼンテーションの中では、JBLブランドを展開するハーマンインターナショナル 代表取締役社長の仲井一雄氏がゲストとして登壇した。同梱されるイヤホンについては「ワンレベル上の音質」と紹介し、搭載された「LiveStage」機能についても「(スピーカーで間接音と一緒に聴くように)あるべき位置からきちんと聞こえる。サウンドステージとサウンドイメージを本来の姿に戻すもの」とアピールされた。
村井氏は、「デュオカメラ」やサウンド、デザインなどを総括し、「商品力を大幅に強化できた」と自信をみせた上で、「上級ユーザー以外の、初めてスマートフォンを使うユーザーにも使ってもらいたい」と、幅広くアピールしていく姿勢を示した。
乃木坂46がステージでデュオカメラを体験
発表会ではHTCの広告などに起用された乃木坂46も登場した。冒頭には、CMに採用され、10曲目となる新曲「何度目の青空か?」を初披露。テレビCMについては、プラハで撮影されたことが明らかにされ、ファンの間で憶測を読んでいたというプラハのロケの真相が明らかになった形に。CMではミステリー仕立てでデュオカメラの機能が訴求される。
ステージではCM撮影の裏話のほかにも、メンバーがデュオカメラやセルフィーなど、各機能をデモンストレーションを交えて紹介された。
質疑応答
質疑応答の中では、ピーター・チョウ氏が日本市場について語る場面があった。チョウ氏は、「日本から多くのことを学びたいと思っているから、日本市場にいる。カラーの仕上げにも長け、ノウハウを培っており、それをほかの市場に展開することに役立っている」と日本市場での成果を語っている。
新興メーカーが一気に大幅なシェアを確保するなど、群雄割拠の様相を呈している中国市場などの巨大な市場でシェアを確保するためには、もはやイノベーションだけでは不十分ではないか、と問われると、チョウ氏は「継続的に新しい価値を提供しないといけない。デザイン、ユーザー体験、サービスも重要で、クラウドベースや、ノンスマートフォンも考えている」とした上で、「何がユーザーの体験にとって重要かを認識すること。品質のどの部分が重要か。そのようなニーズは時が変わっても変わらない」との考え方を明らかにした。
日本市場でSIMロックフリーの端末を独自に提供するかどうかについては、チョウ氏からは「キャリアとのパートナーシップを重視してきており、協力を続けていく」と回答がなされた。この点については、囲み取材でHTCのノースアジア・プレジデントのジャック・トン氏が、「グローバル市場のトレンドと日本は少し違い、市場を観察している最中」と答えている。