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小学校の体育授業を一歩前進させるソフトバンク「AIスマートコーチ for スクール」の魅力
2024年11月11日 00:00
11月2日、東京学芸大学附属小金井小学校で開催された「個別最適な学び」で、ソフトバンクが提供する「AIスマートコーチ for スクール」を活用した体育の公開授業が行われた。AIスマートコーチ for スクールがメディア向けに公開されたのは、今回が初めてとなる。
AIスマートコーチ for スクールは、小中学校体育の授業に特化したスポーツ支援サービスで、跳び箱や器械体操といった種目にて、お手本となる動画の視聴や自分の動画を撮影し、お手本動画と横並びで比較するといった機能が利用できる。お手本動画は、体操クラブで撮影されたものが視聴できるのに加え、先生や生徒が撮影したものを共有してお手本とすることもできる。
また、現在はiPad向けアプリのみの機能だが、動画のダウンロードにも対応している。そのため、自宅にあるデバイスから自分の動画、お手本動画を視聴し、どのような違いがあるのかをまとめるといった自宅学習にも活用されている。自宅での動画学習は生徒も熱心に取り組むようで、先生としても評価を付けやすいとのことだ。
今回公開された東京学芸大学附属小金井小学校では、今年の2学期からAIスマートコーチ for スクールを4学年で導入開始。一斉指導として、生徒とお手本動画を確認しながら実技のポイントをおさえたのち、個別学習の時間では、生徒が自主的にiPadで自分たちの動画を撮影したり、お手本動画と見比べたりしながら、学習に励む様子が見られた。
授業前には、生徒たちが自分でiPadと三脚を用意し、AIスマートコーチ for スクールアプリを立ち上げ、すぐに動画撮影ができる状態までセットしていた。今年の2学期からの導入であるため、使い始めてから2カ月余りだが、普段から授業や自宅学習でタブレットなどを利用していることから、操作に戸惑うことはほぼなく、直感的に使いこなせるという生徒の声も聞けた。動画で自分の動きをすぐに見られるため、成長を実感しやすいとのことだ。
また、お手本動画があることで、友達とディスカッションをしながら「ここで手を使う」「このタイミングで足を伸ばす」といったアドバイスをする様子も見られた。タブレットを使うことで、個別学習においても、生徒が積極的に授業に参加しているように見える。
今回AIスマートコーチ for スクールを使って授業を行った教員は「以前から体育で活用できるアプリを探していたところ、同僚からの紹介でAIスマートコーチ for スクールを知り、EDIX(教育関連のイベント)やWebサイトで機能について知った。動作比較や骨格分析、マッチ度診断は間違いなく体育の授業で活用できると思った」と話す。
続けて「1番多く活用したのが、動作比較。器械運動は自分の感覚と実際の動きのずれや、お手本と自分の動きのずれを修正していくことが求められるが、動作比較を用いるとその比較が容易にできる。子どもたちの探究的な学びのサイクル(課題発見、情報収集、分析、振り返り)において必要不可欠なものになっていくと思う」と、その効果について実感を語る。
加えて「今までは動画を撮って自分で動きを確認するように促しても、子供は必要性を感じていなかったのか、なかなか体育の授業でICTを積極的には使っていなかった。AIスマートコーチは積極的に使っていて、友達に『動画撮って』とお願いする声がたくさん聞こえた」とコメントした。
AIスマートコーチ for スクールは、執筆時点では全国9校で採用(トライアル校含む)されており、現在は器械体操、跳び箱、鉄棒、縄跳びの4種目で、計159本の動画を配信している。また、近日中に走・跳の運動、体つくり運動、ボール運動、表現運動の動画も追加される予定。水泳の授業は、水中の動画撮影といった制約があるため難しいが、そのほかの種目については、学習指導要領に準拠した形で、2024年度中にカバーすることを目指している。
ソフトバンクの担当者は「中学校、高校の授業に取り入れてもらう構想もあるが、体育の一番大事な段階は小学校。中学まで進むと、体育が嫌いな生徒は、嫌いなままになってしまうケースが多く、小学生のうちにどこまで体育を好きになれるかによって、大人になっても運動が好きかどうか変わるという研究もある。そのため、まずは小学校に注力していきたい」とコメントしている。