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「5Gの電波ばく露レベルはこれまでの携帯電話と同程度以下」、NICTが世界で初めて測定

 情報通信研究機構(NICT)は、商用サービスの携帯電話基地局で、電波の強度を測定し、5G向けで用いられる周波数帯の影響度合いの調査結果を発表した。

 調査対象は6GHz帯以下(Sub-6)と28Gz帯(ミリ波)という、日本で5G向けに用いられている周波数帯。生活環境で、電波にさらされる場合の影響を調べた。その結果、従来の携帯電話サービス(4G LTE)と同じ程度、あるいはそれ以下であることがわかった。

 NICTでは「海外で、5Gの電波による健康不安が5Gの展開の障害になっている事例がある。国内でも一部で不安の声がある」と指摘。
 目に見えない電波の強さがわかりづらいことから、かねてより電波の健康への影響を調査しており、今回、都内およびその近郊にある5G基地局で電波の強さを測定した。

 さらに測定した場所の近くには、スマートフォンを置き、6GHz帯以下の周波数を使いながら6GBのデータ、28GHz帯で10GBのデータをそれぞれ約1分、ダウンロードして測定した。

 データのダウンロードをしているほうが電波は強くなることがわかったが、それでも5Gだからといって特別なことはなく、従来の4G LTEと同じ程度、あるいはそれ以下であることがわかった。

 また、健康被害を防ぐために定められている「電波防護指針」と比べても、約1万分の1以下というレベルであることも判明した。

 NICTでは、今回、日本で5G導入後、初めての測定結果と説明。今後の5Gがさらに広がる場合の参照データになるとしている。