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固定通信の仮想化・クラウド化を実証、QTnetやノキアなど4社――固定回線の低遅延化など目指す

 QTnetは、ノキア、XACK、グーグル・クラウド・ジャパンと共同で固定通信網の仮想化・クラウド化の実証を10月から実施する。

 QTnetのBBIQ光回線サービスのインフラ設備で、5Gの主要技術である機能分離技術や仮想化技術を導入する実証を行う。ユーザーの認証などを行う制御部とトラフィックを転送するデータ処理部を2つに分離。制御部をクラウド化することで、制御部の処理能力に余裕があってもデータ処理能力の限界により専用装置を増設する必要がある課題を解消。柔軟な設備増強の実現や低遅延化、強靭性を高めると同時に、分離したデータ処理部は汎用サーバーとソフトウェアで仮想化し、1台のサーバーで複数のネットワーク機能を構築して収容効率の向上、細かな制御の実現を図る。

 QTnetでは、実証に至った背景として、コンテンツのリッチ化やネットバンキング、キャッシュレス決済などで重要性を増すインターネットの品質維持・向上が喫緊の課題と説明。仮想化やクラウド化で迅速な設備増強や低遅延化・強靭化を進めることで、快適なインターネットの提供を目指すほか、商用化されれば「国内でも類を見ない先進的な取組み」になるとしている。