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楽天モバイル、今夏のトレンド予測は「携帯料金の低価格化」「ギガ節約疲れ」「賢い経済圏」

楽天グループが「2023夏トレンド予測」を発表

 楽天グループは27日、楽天市場や楽天トラベル、楽天モバイルなどの購買データや調査結果を分析し今夏のトレンドを予測した「楽天グループ 2023夏トレンド予測」を発表した。楽天市場の最新トレンドや注目のアーティストが披露されたほか、楽天モバイルを活用した家計の見直し術などが、トークセッションを交えて紹介された。

楽天市場では、食品/日用品のまとめ買いや推し活グッズがトレンド

 ECサイト「楽天市場」では、新型コロナウイルス関連の制限緩和による外出機会増に伴い、折りたたみ傘やスーツケース、浴衣といった外出/旅行関連の商品が好調だという。楽天市場マーケティング部の小野 詩織氏によると、たとえば、3月~5月の流通額を比較すると、折りたたみ傘は2022年の約1.7倍、レディース帽子は約1.3倍、スーツケースは約2.2倍に拡大している。

楽天市場マーケティング部の小野 詩織氏

 また、「推し活」関連商品も好調に推移しているといい、いわゆる「痛バッグ」が昨年比約6.7倍に成長している。推し活関連では、グッズだけでなく、楽天ブックスでの売上にも伸長傾向が見られるという。

 加えて、物価高を受けた日用品や飲料/酒など食品のまとめ買いや、節電意識の高まりによる“冷感”関連商品の需要が拡大している。「まとめ買い」のキーワードを含む商品の流通額は、対昨年比でおよそ1.5倍となっている。

楽天トラベルは、分散型/リラックス旅

 楽天トラベルでは、夏休みシーズン(7月~8月)の旅行予約数が、コロナ前の2019年と比較して約1.3倍になっており、コロナ前を大きく上回るペースで拡大しているという。

 2023年のトレンドとして、楽天トラベル PR推進室の樋口 詩織氏は「分散型旅行」と「リトリート旅」の2つを挙げた。

楽天トラベル PR推進室の樋口 詩織氏

 今年の予約傾向を掘り下げて見てみると、7月と8月の祝日を合わせた連休の予約に比べ、連休以外の予約の方がより拡大傾向にあるといい、エリア別に見ても多くのエリアで全体伸長率を上回っているという。樋口氏は、ピークを避けるとお得に旅行ができることなどを背景に、日程や旅先が分散する傾向があると分析している。

 「リトリート旅」というキーワードでは、普段の生活とは異なる離島や高級宿などでリラックスする旅のことを指しており、離島への旅行は2019年比で約1.6倍に伸長している。また、別荘感覚で非日常感を楽しめるヴィラタイプの宿泊プランでは、19年比で約2倍の宿泊数となっている。

楽天ミュージック注目のアーティスト

Rakuten Musicデジタル音楽配信課の服部 恒氏

 エンタメ関連のトレンド予測として、Rakuten Musicデジタル音楽配信課の服部 恒氏は「10-FEET」、「NewJeans」、「EBiDAN」、「LIL LEAGUE」の4グループを挙げた。

 楽天ミュージックでは、アーティストとのコラボレーションによる展開を実施するほか、楽天カードや楽天モバイル限定プランを用意するなど、楽天経済圏のユーザーに向けた施策を実施していく。

楽天モバイルは「楽天経済圏」「つながりやすいワンプラン」をアピール

 モバイル関連では、光熱費や物価が上昇傾向にある中、携帯料金は低下傾向にある一方、定期的に携帯電話料金を見直すユーザーは少ないという。楽天モバイル エコシステム戦略統括部 データマーケティング課の太田 実氏は、家計の節約のためには、携帯電話料金を見直すことがポイントと指摘する。

楽天モバイル エコシステム戦略統括部 データマーケティング課の太田 実氏

 モバイル関連の夏トレンドとして太田氏は、先述の「携帯電話の低価格化」に加え「ギガ節約疲れ」や「賢い経済圏+ポイント活用」の3つのキーワードを提示。

 第三者機関の調査では、データ容量の節約方法として、全体の8割が「Wi-Fi環境がない場所で動画を見ないようにしている」と回答しており、データ容量の節約には“我慢が必要”と太田氏は指摘。一方で、契約データ容量が20GB以上のユーザーの9割以上が通信プランに満足しているとし、大容量プラン、とりわけ“無制限プラン”であればストレスフリーだとコメントする。

 また、NTTドコモやau、ソフトバンクなど4キャリアユーザーが携帯電話契約以外で利用しているサービスの種類については、ポイントやQR決済、クレジットカードなど、多くのユーザーがポイントだけでなくそれぞれの経済圏のサービスを利用していると分析。太田氏は、「スマホ+経済圏の有効活用がトレンドになる」と指摘した。

 楽天モバイルの通信プラン「Rakuten最強プラン」では、KDDIのパートナー回線も活用し、人口カバー率を99.9%となったとアピール。また、パートナー回線エリアでの通信容量制限も解放され、より品質が高い通信が無制限に利用できるとした。

 いわゆる“楽天経済圏”の施策では、楽天市場での買い物について、楽天ユーザーは常に最大+3倍となるなど、楽天グループのサービスがお得に利用できる。

 この「最強プラン」導入後、楽天モバイルをメインに利用するユーザーの継続意向率は77.1%としており、他社メインのユーザーでも3割近くが継続する意向を示しているという。楽天モバイル広報担当も、数字は明かせないとしたものの「好意的な意見が多く、好調に推移している。次の決算発表で(具体的に)明示していきたい」と、好調な滑り出しを示唆した。

 後半のトークセッションでは、節約アドバイザーの丸山 晴美氏が登壇し、専門家の立場から改めて「通信料金の見直しが家計節約で重要」の旨を説明。

 自身も楽天モバイルユーザーだという丸山氏は、「楽天マガジンが楽天モバイルユーザーなら(30%割引の)293円/月で利用できる。さまざまな雑誌が読み放題でこの値段に抑えられるので、コンテンツをうまく掛け合わせることで、見直し効果が高くなる」とコメント。

節約アドバイザーの丸山 晴美氏

 また、楽天ポイントが楽天モバイルの月額料金に充填できることを指摘し「スマートフォンに『楽天経済圏』というフォルダを作ってアプリをまとめて利用している」と説明。

 お買い物マラソンなどのキャンペーン時には特にポイントをたくさんためることができるとし、期間限定ポイントを含め楽天モバイルの月額料金に充填することで、ポイントの失効なく、ほぼ持ち出しナシで利用できるとした。

 月額料金をポイントで支払っても、全額ポイント付与の対象になる点を太田氏から説明を受けると、丸山氏は「ポイント支払い分がポイント付与対象外となるのが多い中、ポイント支払い分にもポイントが付くのにはびっくり」とコメントした。楽天ポイントは、買い物しなくても「楽天スーパーポイントスクリーン」などのアプリで、クリック/タップやアンケートなどでポイントが貯められる点を指摘し、これからもどんどんポイントが貯まるサービスを探していきたいと意欲を示した。