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Wi-Fi 7で一番乗り目指すTP-Linkが新製品発表、「日本のユーザーに最高の体験届ける」

 ティーピーリンクジャパンは9日、Wi-Fi 7対応製品各種と日本初参入となるロボット掃除機を発売することを発表した。Wi-Fi 7対応製品は2023年夏ごろ、ロボット掃除機は3月30日から順次発売される。

左からティーピーリンクジャパン 鈴木氏、同 サイモン氏、同 吉岡氏

Wi-Fi 7対応製品投入へ

 Wi-Fi 7は、現行のWi-Fi 6に次ぐ次世代規格。最大通信速度は46Gbps(理論値)とWi-Fi 6の9.6Gbpsを大幅に凌ぐ高速通信が可能になる。加えてWi-Fi 6比で100倍の低遅延性能を持つほか、5倍のネットワーク容量を実現する。

 ティーピーリンクジャパンで営業部長を務める鈴木義信氏は、Wi-Fi 7によりXRサービスの活用が加速すると見解を示す。TP-Linkは他社にさきがけて日本市場でWi-Fi 7対応ルーターやメッシュバンド中継機を発売する。

 今回、発表されたのは「Archer BE900」のほかトライバンドルーターの「Archer BE805」と「Archer BE550」、トライバンドゲーミングルーター「Archer GE650」の4機種。ただし、現時点で発売日と価格が明かされているのは、BE900のみ。それ以外の製品については今後あらためて価格や発売日が案内される。

 Archer BE900は本体内に12本のアンテナを搭載。最大通信速度は24Gbpsで2.5Gbps LANポートを4つ、10Gbps WAN/LANポートを2つずつ備えるほか、1Gbps LANポートを1つとUSB 2.0/3.0ポートを1つずつ備える。プロセッサーはクアッドコアの2.2GHz。6GHz帯での通信速度は11520Mbps、5GHz帯では5760Mbps、2.4GHz帯では1376Mbps。16ストリーム対応で合計24Gbpsの速度を発揮する。4K-QAMのほかOFDMAなどに対応する。本体の大きさは302×262.5×96mm。

 本体前面には時計や通信速度などを表示できるタッチ式ディスプレイを搭載。スマートフォンアプリから設定したメッセージや絵文字の表示といったユニークな機能をあわせ持つ。Archer BE900の価格は8万9800円で、発売は今夏を見込んでいる。

DecoシリーズでもWI-Fi 7対応

 このほか、メッシュWi-Fiシステムの「Deco」シリーズでもWi-Fi 7対応モデルが発売される。現行規格で最速となるWi-Fi 6E製品と比較しても2倍ほどの通信速度を発揮するとしており、

 Decoシリーズから当初発売されるのはトライバンドで最大22Gbps通信対応の「Deco BE85」。6GHz帯での通信速度は11520Mbps、5GHz帯では8640Mbps、2.4GHz帯では1376Mbps。最大で200台のデバイスを同時接続できる。対応するメッシュ規格はIEEE802.11k/v/r。本体の大きさは236×128×128mm。

 Deco BE85の予定価格は1パックで7万9900円、2パックで14万8800円。発売時期は今夏を見込んでいる。同社ではこのほかにも、17Gbps対応の「Deco BE75」、11Gbps対応の「Deco BE65」、法人向けの「Omada Pro AP9778」などの製品を日本でも展開する予定だが、現時点では価格や発売日は未定。あらためて告知される。

中央=Deco BE85。右奥=Deco BE65。左奥=Deco BE75
Deco BE85のポート類
左=AP9778。右=EAP770

ロボット掃除機にも参入

 日本市場で初導入となるロボット掃除機も発表された。「Tapo RV30」シリーズと「Tapo RV10」シリーズの5機種が3月30日以降、順次発売される。

 RV30シリーズとRV10 Liteを除くRV10シリーズでは、掃き掃除と拭き掃除の2役をこなせる。300mlの水タンクを搭載し、200平方メートルの面積に対応できるという。水量についても3段階で調節可能。バッテリーはRV30シリーズが5000mAh、RV10シリーズが2600mAhとひらきがあるが、いずれのモデルも駆動時間は最大3時間とされている。

 「Plus」の名が冠されるモデルに付属の自動ゴミ収集機は4Lのゴミパックを備え、最大で70日分のゴミを収容できる。

 RV30シリーズは、LiDARとジャイロセンサー、RV10シリーズではジャイロセンサーのみで清掃エリアをマッピングする。静音モードでは55dbでGoogle HomeやAmazon Alexaによる音声コマンドも対応する。

 自動ゴミ収集機が付属する「Tapo RV30 Plus」の想定価格は7万6780円、単体では5万9180円。3月30日から予約を受け付け、4月20日に発売される。

 同じく自動ゴミ収集機付きの「Tapo RV10 Plus」は4万9800円、単体では3万7180円。水拭き機能を搭載しない「Tapo RV10 Lite」は2万9800円。9日から予約を受け付け、3月30日に発売される。

Tapo RV10 Plus。単体モデルとはゴミ収集機の有無の違いのみ。RV10 Liteは水拭き機能がオミットされている
RV10 Lite。水タンクとモップが装備されていない
Tapo RV30 Plus。RV10 Plus同様に単体モデルとの違いはゴミ収集機の有無のみ

信頼性と価値ある製品届ける

 発表会の場で挨拶に登場したティーピーリンクジャパン 代表のサイモン・リー氏は、同社が決してWi-Fiルーターだけのブランドではないことをアピール。同社はビジネス向けのソリューションやスマートホーム機器などさまざまな分野に進出している。

 なかでも、スマートホームブランドの「Tapo」は日本でも好評を博しており、数百万ものユーザーがいるという。TP-Linkは2019年に日本で始めてWi-Fi 6対応製品をリリース。これに触れたリー氏は「Wi-Fi 7でも日本最速で製品を発表する」と迅速な製品展開に自信をのぞかせる。

 「日本のユーザーに最高のWi-Fiとネットワーク体験を届ける」とも語り、新製品を紹介した。あわせて「TP-Linkの『TP』はトラスト(Trust)のTとパフォーマンス(Perfomance)のP。これからも安定性、信頼性、パフォーマンスにすぐれた価値ある製品を届けたい」とコメント。日本語で「ありがとうございます」としめくくった。

 同社のWi-Fi 7対応ルーターは夏ごろ、ロボット掃除機は3月30日より順次発売が予定されている。