ニュース

アスクルとソフトバンク、中小企業のDX推進をサポートする「ビズらく」

 アスクルとソフトバンクは、中小企業のDXをサポートする法人向けサービス「ビズらく」の提供を開始した。

左からアスクル 成毛氏、同 吉岡氏、ソフトバンク 今井氏

相談は無料で

 ビズらくは、Webサイトにおいて中小企業に向けてDX(デジタルトランスフォーメーション)に必要なサービスやツールを販売する。提供される商品は32種類。ソフトバンクとそのグループ会社が協力しており、スマートフォンやWi-Fi、グループウェアのほか情報セキュリティなどさまざまなラインアップを取り揃える。

 導入を検討する企業は、無料で利用できる「ビズらく相談室」へ連絡。電話やビデオチャットで抱える課題を共有すると、相談をもとにしたレポートを受け取れる。それをもとに、同サービスで取り揃える14カテゴリー、32種類のサービスから取り入れるサービスを選ぶことができる。

 ITスキルに長けた人材や情報システム部門がないこともある中小企業が、よりDX化に向けた仕組みを導入しやすいように何が課題なのか、何を導入すべきかを導くかたちでサポートする。

 加えて、導入後も合わせて支援。月額2万2000円~2万7500円の「みんなのITサポート」では、専用のタブレットを利用企業へ提供。使い方がわからない場合やトラブルが起きたときにはタブレットに搭載のカメラを活用し、ビデオチャットでオペレーターに指示を求めることができる。

 商品ラインアップには「Google Workspace」や「LINE WORKS」「Dropbox」といったさまざまなサービスに加えて通信回線として「ワイモバイル」、シェアオフィスの「WeWork」もラインアップされる。

 アスクル 事業開発室 室長の成毛一行氏は「選定基準は、困りごとを解決できるという一点。適切な価格と購入単位、ニーズに合う機能、問い合わせなど含めて充実したサポートがその基準をクリアする要素」と説明する。

中小企業の半数は「DX」を知らない

 アスクル 代表取締役社長 CEOの吉岡晃氏は、DXの推進にともなう、日本の中小企業が直面する課題を指摘する。

 同氏は、減少の一途をたどる労働人口や法制度面での変化など企業を取り巻く環境が大きく変化していることを紹介しつつ、同社の調査で中小企業の半数ほどが「DX」という言葉を知らないことやシステム部門を独自にもたないといった実態が明らかになったことを語る。

 一方で、ITツール購入時に重要視されるものとして「導入・アフターサポートがある」「相談・質問しやすい」などの丁寧なサポートがあるという。

 「デジタル化にはまず心のハードルを下げていくことが何より大事」として、今回のサービスの特長である丁寧なサポートを紹介。さらに「お客様に寄り添ってサポートする。アスクルが持つ顧客基盤とCRMノウハウ、ソフトバンクとそのグループのデジタル通信商品の調達力、BtoBのマーケティング、システム開発能力のシナジーで立ち上げた」吉岡氏は今回のサービス導入にいたるまでを説明した。

中小企業のDXを支援し日本を盛り立てる

 発表の場に登壇した、ソフトバンク 代表取締役 副社長執行役員兼COOの今井康之氏は、日本の労働市場の多くを占める中小企業の6割はデジタル化が進んでいないとして「その方々(中小企業)と日本を盛り立てていく必要がある」と語る。

 同社ではこれまで「誰ひとり取り残さない」をテーマにデジタルデバイド解消に向けた取り組みをコンシューマーやビジネス問わずさまざま実施してきた。

 一方で、ソフトバンクはこれまで中小企業との接点が少なかったとして、数多くの中小企業との接点を持つアスクルと手を組むことで、同社や同社グループの持つサービスを効果的に多くの企業へ届ける。

 「中小企業とアスクルとソフトバンクでいろいろな声を反映してサービスを作り上げる。これがビズらくの本質。中小企業のデジタル化の明日を作る、これは日本の明日を作ること」と今回のサービスへの熱意を示した。