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イヤホンやスマートウォッチがスマホのアンテナに、KDDI総研の大容量通信を可能にする新技術

 KDDI総合研究所は、Beyond 5G時代に向けて上り通信を大容量化する新たな技術の一部をメディア向けに公開した。

 Beyond 5G/6G時代には、メタバースなどの進化や現実世界のさまざまな情報を仮想空間に伝送する時代が来ると想定される。こうした世界の実現に向けては上り通信の大容量化が必須になる。

 一方で、上り通信速度の向上にはいくつかの困難がつきまとう。ミリ波帯やさらに上のテラヘルツ帯は伝搬特性上、遠くまで届きにくく、端末のアンテナ性能の向上には搭載スペースや消費電力の制約などがあるという。

 KDDI総研が研究を進めているのは、身につけた機器などをアンテナとして活用する「仮想化端末」の技術。Bluetoothイヤホンやスマートウォッチ、スマートグラスといったデバイスとスマートフォンなどをテラヘルツ帯の電波で結び、仮想的なアンテナとして活用することで、大容量化の実現を目指す。

 デモでは、デバイス間をテラヘルツ帯と呼ばれる291GHz帯の周波数かつ4.8GHz幅で通信しスループットを向上させている様子が公開された。この技術は上りだけではなく下り通信にも利用できるという。