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フランス発の「Back Market」、日本の中古スマホ市場で目指す姿とは

 フランス・パリに拠点を置くBack Marketは27日、日本の報道陣向けに説明会を実施した。説明会には同社のアジア太平洋地域ディレクターを務めるアレクシー・ジェローム(Alexis Jerome)氏が登壇し、リファービッシュ商品のマーケットプレイス「Back Market」について紹介した。

 いわゆる“整備品”としてのリファービッシュスマートフォンなどが販売される「Back Market」は、2021年3月に日本へ上陸したばかり。海外や日本の中古市場の状況や、今後の展望は――? 本稿では、説明会の内容をお届けする。

ジェローム氏

そもそも「Back Market」とは?

 本稿冒頭でご紹介したとおり、「Back Market」は、日本語でいうところの「整備品」、リファービッシュ品のスマートフォンなどを取り扱うマーケットプレイスだ。“リファービッシャー”として「Back Market」で商品を売る業者と、消費者とをつなぐ役割を果たしている。

 つまり、Back Market自体が中古スマートフォンを仕入れ、整備したものを販売しているのではなく、ネット上のショッピングモールとしての場を提供していることになる。

「Back Market」のWebサイトより

 Back Marketは、リーズナブルで高品質なリファービッシュ品を安心して購入できる環境を提供すべく、「品質」や「透明性」などに対する考えが含まれた「カスタマー・ハピネス憲章」を掲げる。

 「品質」へのこだわりとして、「Back Market」では、検査やクリーニングが実施された商品が販売されている。また、12カ月間の動作保証や30日間の全額返金保証も付帯する。

 「透明性」としては、商品の状態だけでなく、消費者からのレビューもWebサイト上で確認できるようになっている。こうしたレビューについて、ジェローム氏は「Back Market側でレビューを編集するようなことは一切していない」とコメントした。

「Back Market」では、消費者からのレビューもチェックできる

 「Back Market」で商品を販売する業者に対しては、厳格な品質ガイドラインを設けている。その基準を満たさない業者は商品を販売できなくなるという。

 また、登録後に試験的な販売期間を設けて評価などをチェックする「試用期間」や、Back Market側が無作為に業者から商品を購入・検品する「ミステリーショッピング」などの制度を設け、品質維持につなげている。

 日本の「Back Market」では現在、25社のリファービッシャーが存在する。

環境に優しい世界の実現へ

 Back Marketが掲げるミッションは、リファービッシュ品を新品に代わる選択肢として提供し、環境に優しい世界を目指すこと。「Back Market」での取り組みを通じて、“電子ゴミ”の削減などを図っていく。

 ジェローム氏は、フランスでリファービッシュ品や中古品の購入者が増えていることを紹介。「リファービッシュ市場はまだまだ成長の余地がある」として、今後への期待感をのぞかせた。

 日本に上陸する前は、海外でサービスを展開していたBack Market。現在、「Back Market」が展開されている国は16カ国にのぼる。2018年に「Back Market」で販売されたリファービッシュ品の総額は、310億円にもなるという。

日本市場での展望

 ジェローム氏は、日本でも中古品やリファービッシュ品の市場が拡大していることを紹介。2021年の“SIMロック原則禁止”などを受け、消費者が中古スマートフォン品を購入しやすくなっている状況にも触れた。

 そんな日本市場への上陸を決めた理由として、ジェローム氏は「iPhoneを持っているユーザー比率の高さ」などを挙げた。

 「(新品の)iPhoneの値上げも、我々にとっては追い風になる」とジェローム氏。リファービッシュ品を安く買いたいという人々のニーズを見込む。

 「Back Market」のサービスのローカライズとして、日本向けにはコンビニ決済を導入。また、現在はWeb上でのサービス提供となっているが、2023年にはスマートフォン向けのアプリを国内に展開する予定もあるという。

 「現時点で日本オフィスで働くのは8人だが、来年には3倍にすることを目指す」とジェローム氏は語る。また、2023年には売上も3倍にしたいとして、今後への意気込みを見せた。