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100年に一度の「太陽フレア」で通信・放送が2週間途絶する――総務省会合の報告書

 総務省は21日、「宇宙天気予報の高度化の在り方に関する検討会」の報告書を発表した。同報告書のなかでは、100年に一度の“極端な宇宙天気現象”がもたらす通信などへの影響も紹介されている。

 「宇宙天気予報の高度化の在り方に関する検討会」は、2022年1月から総務省が開催してきたもの。座長は、名古屋大学宇宙地球環境研究所所長の草野完也氏が務める。

 報告書では、太陽から到来したり地球周辺で発生したりする“宇宙天気現象”のうち、極端なものに関して、「通信などの社会インフラに異常を発生させるおそれがある」とされている。

 100年に一度、あるいはそれ以下の頻度で発生する現象については、それに伴う最悪のシナリオも想定されている。太陽の黒点群で生じる爆発の一種である「太陽フレア」などが例として挙げられ、通信や放送が2週間にわたって断続的に途絶することも考えられるという。

総務省の資料より(以下同)

 こうした“ハザード(危害要因)”に対し、報告書では「ハザード自体の低減は困難。社会インフラ側の脆弱性を低減することで、リスクを最小化する必要がある」としている。

 今後は災害対策基本法などの法制度に対し、極端な宇宙天気現象による災害を組み込むことで、国としてのリスク対応を図ることなどが報告としてまとめられている。また、宇宙における変動予測の強化や、新たな警報基準の導入なども盛り込まれている。