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ソフトバンク、「ネットワークスライシング」の商用ネットワーク導入を開始

SRv6の全国展開完了で多様なサービス提供を目指す

 ソフトバンクは、モバイルIPネットワークへの「SRv6(Segment Routing IPv6)」導入について、全国展開を完了させたと発表した。また、ネットワークスライシングの商用ネットワークへの導入を4月から開始した。ネットワークスライシングの早期提供を目指すという。

 「SRv6」は、インターネットプロトコルの次世代規格であるIPv6のネットワーク上で、セグメントルーティングを実現する技術。

 これまでネットワークを構成するルーターにパケットの目的地(ラベル)と通信経路(パス情報)を配布し、パケットのラベル情報を参照し、パス情報に基づきパケットを伝送していた。

 「SRv6」では、セグメントルーティングによる転送を行える。パス情報の配布なしで、パケットのラベル情報を参照し適切な経路を選択しながら伝送するため、ネットワークの構成が変わっても都度パス情報の更新をせずに済み、よりシンプルなネットワーク構成の実現と、設備投資や運用費の削減などを図れる。

SRv6の構成イメージ

 今回のネットワークスライシングの導入では、「SRv6」の新機能の一つ「SRv6 Flex-Algo」を活用する。

 「SRv6 Flex-Algo」は、Algo(アルゴ)と呼ばれるスライス(ネットワークを仮想的に分割した層)をIPアドレス上に自動生成し、SRv6の転送認識子を見て用途に応じた適切なスライスへパケットを伝送する機能。サービス要件に応じたスライスを自動生成し利用することで、より柔軟なトラフィック制御ができ、さまざまなニーズに対応したサービスを提供できるという。

SRv6 Flex-Algoの構成イメージ

 ソフトバンクでは、今後導入予定の「SRv6 MUP(Segment Routing IPv6 Mobile User Plane)」と併用することで、5Gユーザーが接続する5Gスライスと、「SRv6 Flex-Algo」が提供するIPネットワークスライスを組み合わせ、MEC(Multi-access Edge Computing)サーバー上のアプリケーションを活用することで、エンドツーエンドのスライシングを実現することを目指すとしている。