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「ヤフオク!」機械学習による「不正取引」対策を強化、「直接取引を持ちかける投稿」を削除

 ヤフーは、オークションサービス「ヤフオク!」において、質問機能を悪用した詐欺行為に対する機械学習モデルによる対策を強化した。不正な質問投稿の検知精度や効率が向上したという。

 「ヤフオク!」では、落札前に、商品について詳しい情報を出品者に質問できるよう、質問機能を提供している。この機能を悪用し、出品価格より高額で買い取るなどとうたい、システムを通さない「直接取引」を持ちかけ、代金を払わずに商品をだまし取る不正行為が見受けられている。

 直接取引は、トラブル防止のためガイドラインで禁止行為として定められている。

 これまで、直接取引をもちかける投稿は、英語など外国語で投稿されることが多く、入金確認前に商品を日本国外に発送することが求められるのが特徴だった。

 しかし、近年では自動翻訳などを利用して日本語で投稿されるケースや、連絡先がメールからメッセージアプリに誘導されるなど、手口が多様化してきている。

<メッセージアプリに連絡するように指示されるケース>

My name is ***, I would like to know how many units you have for sale, Ill be offering you $2,100 for this item including the shipping fee via EMS SPEED POST to my cousin in United State. Kindly reply me at my ▲▲, my ▲▲ ID is (*****) I will be waiting to hear back from you soon!

<自動翻訳したケース>

こんにちは、私は銀行振込で支払うことができますか? 私は210.000円払います。 送料を含みます。 私に連絡してください。 私のメールアドレス ********@*****.com

ヤフオク!トピックス:機械学習モデルをアップデートして「不審な質問」の対策強化!

 ヤフーでは、パトロールによる質問の削除や、投稿者のアカウントの利用停止措置に加え、2020年6月から不正なメッセージパターンを機械学習させ検知/削除する対策を開始した。今回の取り組みでは、多様なメッセージパターンを機械学習させ、システムが対応できる投稿を増やした。

機械学習により削除された投稿

 今回の取り組みにより、「質問に不審な投稿がされる」、「直接取引をもちかけられた」といったユーザー申告が、機械学習モデル導入前の2020年5月と比較して、約97%減少できた。

 ヤフーでは、引き続き機械学を最適化し、トラブルを未然に防ぐための対策を行うとともに、ユーザーに対して周知/啓発を徹底していくという。