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「povo」契約数は100万超、「本当にやりたかったサービス」KDDI高橋社長が語る

 KDDIのオンライン料金プラン「povo」の契約数が100万件を突破した。29日、決算会見の席上で、髙橋誠社長が語った。

 髙橋氏は「立ち上げのタイミングでは、Web専用プランということもあり、お客さまにご迷惑をおかけすることもあった。本当に申し訳なかったが、だいぶ落ち着いて11月から本格的に拡販に努めていく」と説明。

 9月13日の発表会では、povo契約数が90万となっていたことが明らかにされていたが、今回、100万件を超えたとのことで、「今の段階で、ちょうど100万を超えた段階。1カ月で10万以上伸び、順調に立ち上がった」と髙橋氏。

楽天モバイルへの対抗策として

 9月下旬から始まった「povo2.0」では基本料0円で、通信量などを「トッピング」と称して、オプションとして契約する形態。ユーザー自身が必要なデータ量を判断して、必要なものを選ぶというスタイルは、これまでにない料金プランに仕上げられている。

 髙橋氏は、初期の加入者のトッピング利用比率が上がらないのでは? と予測していたところ、半数程度が利用することになったと説明。

 さらに「2~3週間程度経つと、1/3、3/4のお客さまがトッピングを使われて始めている。povo1.0と2.0で平均を取ってみるとUQよりもARPUが高いくらい」と説明。

 povo提供の背景として「auのモメンタム(勢い)が落ちてきたので、他社対抗もありUQを強化して転出を止めた。ゼロから始める競合(楽天モバイルのことと見られる)がいてpovoを始めたが“ゼロから始まる人”たちへの流出がだいぶ収まってきた」と流出抑制の効果があったという。

 楽天モバイルが今春、0円~というプランに変更したことも影響はあったが、UQでまず対抗したものの流出を止めきれず、次いでpovo2.0での取り組みで流出が大きく減少したという。

povoに込められた想い

 髙橋氏は「僕からすると、povoは本当にやりたかったサービス。モバイル界のDXというイメージがある」と熱量を込めて話を続ける。

髙橋氏
 「povoでは、契約いただいたお客さまがどういう(利用スタイルをする)方なのか、データで知って、継続的にアプローチしていく。

 今までなら『売っておしまい』だったところ、契約後にも、どんどんお客さんと繋がっていけるような、そんなサービスなんですよね。

 そういうサービスをぜひともやってみたいと思ってましたので、個人的にも、これからもしっかりと(povoを)伸ばしていきたい」

 こう語った髙橋氏は、料金値下げの流れがあるとはいえ、povoの利用が好調であることから「料金値下げによる減益幅が広がっていく、といったことにはならない」とした。