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NTT/ドコモ第1四半期決算「料金値下げの影響は大きい、スマートライフ事業を強化」

5G契約数は535万件、ahamo契約数は180万件

NTT代表取締役社長の澤田 純氏(中央)

 NTT(持株)は6日、2021年度第1四半期決算を発表した。営業収益は、2兆8926億円(前年同期比+1261億円)、営業利益は4863億円(同-113億円)、当期利益は3400億円(同+673億円)となった。

 また、完全子会社となったNTTドコモの業績も同じタイミングで発表された。営業収益は1兆1596億円(同+615億円)、営業利益は2444億円(同-361億円)、当期利益は1715億円(同-238億円)となった。なお、ドコモの設備投資費用は、1227億円(同+319億円)となり、前年同期比+35.1%となった。

NTTの決算
ドコモの決算

 本記事では、NTTの決算会見において説明、回答されたドコモ関連の内容を中心にお伝えする。

好調なahamo「180万契約」

 4月からスタートしたオンライン専用料金プラン「ahamo」について、NTT代表取締役社長の澤田 純氏は「180万契約に達した」ことを明らかにした。

 若年層の獲得が好調に推移したとしており、「これまで13年ですかね、ずっと毎月マイナスであったMNP(転出過多)ですが、ahamoを提供させていただいて、月によって変わりますが転入と転出がほぼ変わらないような状態で推移している」との認識を示した。

 ahamoが復調の1つのきっかけになったという澤田氏は、ahamoの魅力について「ドコモのバックボーンで品質がよく、使いやすいという意見が多い。タイミングとユーザーのニーズに合ったサービスだったのではないかというふうに理解している」とコメントした。

 ahamoの契約ユーザーの属性については、「ドコモからの移転が多いが、他社からのMNPもそれなりにある」と述べた。

一方でモバイル通信サービスは減益

 好調なahamoの一方で、ドコモの営業利益の増減要因を見ると、スマートフォンなど携帯電話事業を中心とした「モバイル通信サービス収入」が97億円の減少となっている。

ドコモの決算資料より

 澤田氏は、「5Gの基地局/設備工事の関係費用」の増大や「料金の値下げ」などが影響したとしている。澤田氏によると、「大容量プランの値下げの影響は年間で2500億円規模」という。

 一方、(ahamoなどで)契約者数の減少に歯止めがかかったとも説明。澤田氏は「私どもで大きかったのは稼働数の減少。お客様が減っていったんで、これがものすごいボディブローみたいになっていた。現時点では、(大きく)伸びはしないが他社さん同様平衡を保っている状況」とコメントした。

 ドコモでは、この携帯電話料金の値下げに対して、スマートライフ事業などほかの分野でカバーするとしている。

 澤田氏はまた、スマートライフ事業に関する施策費を強化すると言及。なお、ドコモ広報部に具体的な内容を確認したところ「金融・決済事業を中心としたスマートライフ事業」とし、具体的な詳細の回答は得られなかった。

NTTコムとの事業再編は「未定」

 今夏に予定されていた、NTTコミュニケーションズ(NTTコム)との事業再編について、澤田氏は「目処はわからない」とコメント。

 澤田氏は、「総務省で公正競争条件に関する検討会議が開かれており、この結果をふまえた対処を実施していかなければならない。総務省側の検討によって時期が決まってくるのではないかと思う。今夏に予定していたドコモの下にNTTコムを置くというファーストステップも実際にできておらず、こちらも遅れる見通し」と説明した。

ドコモ関連の主な指標

 このほか、決算資料で明らかにされた指標をまとめる。

  • 携帯電話契約数は8292万件(前年同期比+3%)
  • うち、5G契約数は535万件
  • 解約率は0.58%(うちハンドセット解約率は0.48%)
  • ドコモ光契約数は714万件(前年同期比+7%)
  • dポイントクラブ会員数は8373万人(同+9%)
  • dポイント利用数は697億ポイント(同+22%)
  • うち、提携先利用は527億ポイント(同31%)
  • dカード取扱高は1兆5000億円(同+32%)
  • d払い取扱高は2660億円(同+74%)
  • d払いユーザー数は3735万人(同+37%)
ドコモ関連の主な指標
現状と今後
NTTの決算資料より
ドコモの決算資料より