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OPPO、急速充電技術における最新の研究成果を明らかに

 スマートフォンブランドのOPPOは7月27日、「What’s Next for Flash Charging?(急速充電の次の展開とは?)」というテーマでオープンデーを開催した。その中で、急速充電関連の最新の研究成果と、今後の展望が発表されている。

安全な充電体験の実現に向けて

 OPPOはVOOC急速充電技術の効率性や安全性を向上させるべく、5重構造の安全保護システムを導入し、AIアルゴリズムや新素材などを用いて研究を行っている。

 安全保護システムに搭載されたヒューズは、電流が大きすぎるなどの異常時には即座に溶断する仕組みとなっており、電力の供給源から物理的に切り離されることでバッテリーを保護する。

 また、内蔵型直列2セルのバッテリーデザインにより、同サイズのバッテリーでも5%以上バッテリー容量を増やすことが可能になる。

 そのほか、発熱を抑えながら充電できる窒化ガリウム(GaN)スイッチや、バッテリー安全検知チップなどを活用し、効率的で安全な充電体験の実現に向けて取り組む。

 OPPOが開発した複合構造のバッテリーは、同社の実験室テストにおいて、衝突などのテストを100%の成功率でクリアした。

スマート充電技術

 OPPOがオープンデーで発表したスマート充電技術は、AIが充電時の電流を調節するというもの。バッテリーの劣化を防ぎ、長寿命化に貢献する。

 65Wの急速充電(SuperVOOC)によってバッテリーをフル充電・放電するサイクルを1500回繰り返しても、バッテリーは元の容量の80%を維持できるという。

 また、状況に応じて一時的に充電速度を上げることも可能で、65W SuperVOOCの場合は充電速度を約20%向上させられる。これにより、4500mAhのバッテリーの場合は30分でフル充電できる。

 加えて、充電時の電流とスマートフォン本体の温度上昇のバランスをAIが最適化するため、急速充電しながらでも端末の発熱を意識せずに済む仕組み。

極寒の環境下での急速充電

 OPPOは特殊な環境下における急速充電技術の最適化も進めており、そのひとつとして超低温充電が挙げられる。

 超低温充電では、バッテリーに対する最適な充電温度をアルゴリズムによって判断し、充電する前に温度を上げる。

 テストでは、わずか数十秒でマイナス20度から10度まで温度を上昇させることができ、極寒の環境でも通常どおりの充電ができることを確認した。

さらなるイノベーションの創出へ

 2021年6月30日時点で、OPPOは急速充電技術に関する特許を3000件以上出願済み。

 同社は今年に入って「The Flash Initiative」という新プロジェクトを立ち上げており、VOOC急速充電技術を自動車などにも取り入れている。今後は、急速充電技術において、さらなるイノベーションの創出を目指していく。