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「Googleマップ」最新のAIを「急ブレーキ回避」や「詳細地図製作」で活用

 米グーグル(Google)は、グーグルマップのAIを活用した2つの機能を紹介し、どのようにAIが活用されているかを紹介した。

急ブレーキ頻発地点を回避

 車線変更や高速道路出口など、ブレーキを踏んでしまう状況を回避するルート検索機能は、AIを活用した機能だという。

 AIとナビ情報をもとに、急減速する「急ブレーキイベント」を検出し、それを避ける代替ルートを検索し提案する。この機能で年間1億件以上の急ブレーキを回避できる可能性があるという。

 急ブレーキの検出には、スマートフォンや携帯電話などのセンサーからのデータを活用している。

 ただし、端末が車に確実に固定されているとは限らない(車の動きと関係なく移動する)ため、実際の急ブレーキと区別することは難しいという。そのため、Android Autoなど車と接続したデータも制度の高いデータとして活用している。

 これらのデータをAIに学習させることで、実際の減速か間違った減速検出かを見分けられ、減速検出がより正確になるという。

 また、急ブレーキの原因となりやすい工事や視界の状況などの特定にも取り組んでいるという。たとえば、太陽光が眩しい時間帯に急ブレーキが多発するポイントがあれば、それを検知して代替ルートを提示することができるとしている。

自動車以外のナビでも活用

 徒歩や自転車、公共交通機関のナビでも、AIが安全で快適な移動をサポートできるという。

 同社では、2020年8月から道路の幅や歩道、横断歩道、安全地帯など道路の詳細を表示する詳細道路地図を公開。2021年末までにさらに50都市で提供するという。

 この詳細地図の作成にもAIが活用されているという。

 たとえば、横断歩道の検出時、国や州、都市によって横断歩道の「ゼブラ」模様が異なっている。このような違いを考慮し、地図上に正確に表示するためには、世界中の横断歩道の形をシステムが把握しなければならない。

 これまでは、地図1枚に対して、ストリートビューや衛星画像、航空写真など数百万枚の画像の中から、「道路」、「住所」、「建物」などの特徴を1つずつ取り出し、分類していたという。

 しかし、詳細地図ではこれまでよりもはるかに大きな粒度、精度が求められているため、すべての特徴を一度に識別できるようにモデルを更新した。膨大な数をAIに学習させることが必要だが、道路の始点終点といった各特徴の関係などを理解できるようになったという。これにより、精度を落とさずに広範囲の特徴を一度に検出、分類し、より高速に作成できるようになったとしている。

これまでのAIモデル
複数の特徴を検出できるAIモデル

 なお、特定の都市で学習させたモデルを、都市デザインが似ているほかの都市にも活用できる場合があるという。たとえば、1万5000キロメートル弱離れているアトランタとホーチミンでは、歩道や縁石、信号機などが似ている。このため、高度なAI学習によってこれまでにない規模で地図に詳細情報を掲載できるようになったとしている。