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ソフトバンクの「LINEMO」発表会、質疑応答で語られたこと

 18日、ソフトバンクは、オンライン専用料金プラン「LINEMO(ラインモ)」を発表した。20GBで月額2480円(税抜)というサービスで、その名の通り、LINEとの親和性を高めた料金プランだ。

 本稿では18日の説明会後半での質疑応答の様子を紹介する。回答者はソフトバンク常務執行役員で、LINEMO事業をリードする寺尾洋幸氏。サービス内容は本誌別記事でご紹介する。本稿でご紹介する質疑の順は、会見と異なり、話題ごとに集約している。

寺尾氏

競合他社との差別化、料金設定の考え方について

――KDDIの「povo」と同じ料金帯となった。通話準定額を含めるとドコモの「ahamo」とも同じ価格帯となる。差別化の要素は?

寺尾氏
 やはりLINEとのシナジーになる。8600万人が毎日使うLINEを、もっと使いやすく、もっと驚きを提供する。LINEの通信量が無料になり、スタンプも使い放題になる。LINEをもっと使いやすくすることが一番の差別化になる。

――ユーザーの声を踏まえて、通話定額を外して2480円とのことだが、auの「povo」を意識したのか。楽天モバイルは20GBで1980円だがそこは意識しなかったのか。

寺尾氏
 競合他社やお客さまの声を常に意識している。もうひとつ、サービスをちゃんと継続させることが一番重要だと思っている。

 これから通信を成長させていく上で、しっかりした料金体系で、皆様に安心していただけるネットワークを構築できる料金を意識しながら提供したい。

――LINEMOの料金はかなりauのpovoに寄せているような印象を受けるが、povoで採用された「トッピング」という考え方はどう判断したのか。

寺尾氏
 何がわかりやすいか議論した。1日200円で24時間データ使い放題といったものがあったかと思うが、本当にお客さまにわかりやすいか考えたとき、オンラインでの手続きを踏まえると、できるだけシンプルにすべきで、いったん開始時には外した。

 しかし、お客さまが今後求めてこられるのであれば改善していくのが我々の使命。良いものは取り入れて、悪いものは反省したい。

先行エントリー件数、今後の契約目標

――先行エントリーの件数は?

寺尾氏
 件数の開示は控えたい。かなりの件数を予測していたがそれを超える勢いでエントリーいただいており、非常に好調だ。

 デジタルネイティブの方というか、オンライン手続きの経験のある方が多いと見ている。機種変更などオンラインでの手続きを持つ方は増えており、そうした方のエントリーが多い。

――目標契約数は?

寺尾氏
 会社の方針として数字は非開示。ソフトバンクとしては3つ目のブランドになる。新たな柱になる実績にしたい。これまでワイモバイル事業を担当してきたが、500万契約を超え、600万契約に届こうとしており、2つ目の柱と評価されている。LINEMOも3つ目の柱に成長させたい。

サービス内容について

――Apple Watchへの対応、家族割のカウントはどうなるのか。

担当者
 サービス開始当初は対応していない。今後、お客さまの声を聞いて検討する。

寺尾氏
 家族割の対象にはしない。3つのブランドそれぞれに個性をもたせてオススメしていくため、いったんそうすることにした。

――留守番電話、転送電話といった機能への対応は?

寺尾氏
 サービス開始当初には用意していない。要望を聞きながら検討していくことになるが、今回、LINE中心でコミュニケーションする方を考えると必要なのか、と考え、用意しなかった。

サポートについて

――LINEのチャットでサポートを受け付けるとのことだが、店頭での対応や電話での対応はどうなるのか。

寺尾氏
 最初の段階では、店舗や電話でのサポートは用意しない。チャットでサポートする。

――店頭でも新プランが訴求されている。実際に来店者にはどう対応するのか。

寺尾氏
 これまでSoftbank on LINEと案内していた。そのため店舗への問い合わせも非常に多く、簡単なご案内はしている。オンラインでのメリット、デメリットを丁寧に案内し、サポートが必要な方は、ソフトバンクブランドか、ワイモバイルブランドでの契約をオススメすることもある。

オンライン手続きについて

――オンライン専用プランだが、手続きは本当に簡単か、という点が懸念になる。もう少し詳しく、手続きがどう完結するか教えてほしい。

寺尾氏
 これまでワイモバイル事業を展開してきた。店舗もあるが、オンラインの契約比率が年々、倍々で増えている。実数も、総販売数で占める比率でも増えている。

 オンラインでどうすれば簡単に手続きできるか、という点は、ワイモバイル事業での経験を踏まえ、LINEアプリからの誘導や手続きができるよう(開発を)進めている。

 オンラインの手続きの簡単さは、一朝一夕で実現しない。毎週、アップデートすることで、皆さんが迷わないインターフェイスを作ることが肝要。どこでひっかかっているのか、改善を積み重ねることが「簡単」に繋がっていくと思う。

ヤフーのサービスとの連携について

――LINEMOには、PayPayとの連携や、Yahoo!プレミアムとの連携がないが、LINEとの連携にこだわる理由は?

寺尾氏
 サービス開始時点ではYahoo!系サービスとの連携はない。お客さまの声を聞きながら、改善を進めたい。

――特典でPayPayボーナスがついているが、なぜLINE Payではないのか。

寺尾氏
 仕組みと準備期間が大きい。年末に発表し、先行エントリーを受け付ける際に、ソフトバンクとして短期間で用意できるものがPayPayボーナスだった。

 3月にLINEとヤフーの経営統合が控えている。そのなかで、LINEMOとどのサービスを組み合わせるのか、整理していく。

――LINEMOはYahoo!プレミアム特典の対象になるのか。

寺尾氏
 なりません。

ローミング関連

――ローミング料金、ソフトバンクブランドやワイモバイルブランドとの違いは?

寺尾氏
 ワイモバイルの料金と同じ体系になる。20GB/2480円とは別途かかる。

――海外ローミングでデータ通信はどうなるのか。

寺尾氏
 20GB内には含まれない。

SIMカード

――発行される物理SIMカードはOS、機種が変わっても差し替えて使えるのか。メインブランドではできないのか。

寺尾氏
 LINEMOは、ひとつのSIMでiOS、Androidで使えるようにする。また、マルチSIMというか、1枚でnanoやmicroサイズで利用できるようにする。

 メインブランドでの対応については、iPhone用のSIMがAndroidで使えない、Android用のSIMがiPhoneで使えないといった課題は認識している。解決する方向で準備を進めている。

 時期については、現在、技術的な課題などを洗い出しており、もう少しお待ちいただきたい。会社の方針として、SIMについては、同一化していくことで準備を進めている。

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