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ソニー、ミリ波対応の“プロ仕様”5Gスマホ「Xperia PRO」を2月10日発売

 ソニーとソニーモバイルは、5G対応Androidスマートフォン「Xperia PRO」を、2月10日に発売する。市場推定価格は22万8000円(税抜)。発売に先立ち27日9時から、ソニーストア各店(オンライン含む)や一部の家電量販店で、順次予約受付を開始する。

 「Xperia PRO」は、2020年5月に発売した「Xperia 1 II」をベースに、映像制作などを行うプロフェッショナル向けの機能の拡充や、5Gのミリ波に対応した製品。世界初のHDMI接続(受像、ソニーモバイル調べ)対応やソニーのレンズ交換式カメラ「αシリーズ」などと接続する機能などを搭載する。

「Xperia PRO」本体イメージ
左側
右側

ターゲットユーザー

 「Xperia PRO」のターゲットユーザーは、「通信社やフリーの報道カメラマン」や「プロフェッショナル映像クリエイター」、「YouTuberやVlogger」などとしている。カメラのモニターや映像を配信する通信デバイスとしての利用や、同機のカメラを利用した配信もできる。

一眼レフカメラと接続して使用できる
ストリーミング配信イメージ

 また、同機を活用しテレビ放送局や新聞社、通信社において実証実験を行った。

 テレビ放送局でのユースケースでは、フジテレビジョンにて仮想スイッチャー(クラウド上で映像の切り替えなどを行う装置)を利用した実験を実施。カムコーダーとエンコーダーをUSBテザリング機能で同機と接続し、5G通信で仮想スイッチャーに素材を送信し、仮想スイッチャーを介して番組制作を行った。

 ソニーとソニーモバイルは、今後BtoBへの展開も期待できるとしている。

ミリ波へ最適化

 「Xperia PRO」は、直進性が高い5Gミリ波の受信感度を最適化するため、独自にアンテナ設計されている。

 本体の上下左右4カ所にアンテナを備えており、360度全方位をカバーできるため、電波を効率的につかめるという。

 また、同機には4GLTEや5GSub-6、5Gミリ波の電波による通信状況を視覚化できる「Network Visualizer(ネットワークビジュアライザー)」機能を搭載。電波の受信方向や通信速度をわかりやすく表示でき、業務に安心感を与えられる。

「Network Visualizer(ネットワークビジュアライザー)」イメージ

 なお、日本国内ではNTTドコモ(購入後のアップデートが必要)とau回線のミリ波に対応する。

HDMI入力対応

 「Xperia PRO」は、HDMI入力端子を備えている。最大4K画質(3840×2160)HDR60p 10bitに対応している。

 同機とデジタル一眼レフカメラやカムコーダーと接続すれば、カメラなどのモニターとして利用できる。

 外部モニター機能では、ピンチインで画面をズームインでき、詳細な部分をしっかり確認できる。また、グリッド表示や表示の回転機能(イメージローテーション)、明るさ調節機能などを備える。

外部モニター機能イメージ

 このほか、入力された映像を、対応するサービスですぐにライブストリーミングで配信する機能をサポートする。

 同機に搭載されているディスプレイは、ソニー独自の外部モニターBT2020の広色域に対応している。また、出荷時にソニー製のマスターモニターを基準に色温度を1台1台調整して出荷しており、クリエイターの意図した色調を忠実に再現できる。

USBテザリング機能

 「Xperia PRO」とUSBテザリング機能を搭載しているカメラをUSB Type-Cケーブルで接続すると、静止画や動画ファイルの高速ファイル転送機能を利用できる。超高速大容量通信が特徴の5G通信と組み合わせれば、静止画や容量の大きい動画ファイルをすぐにFTPサーバーなどに転送できる。

USBテザリング機能イメージ

主なスペック

 基本的なスペックは、「Xperia 1 II」と同様であるため、ここでは「Xperia 1 II」と異なるスペックを記載する。

 「Xperia PRO」本体の大きさは約171×75×10.4mm、重さは約225g。「Xperia 1 II」はそれぞれ約166×72×7.9mmと181gなので、Xperia PROは1 IIのひとまわり大きいサイズ感となる。

 メモリ(RAM)は8GBのまま、ストレージ(ROM)は512GBに増量している。

 また、HDMI入力端子が搭載されているが、FeliCa機能やワイヤレス充電機能は省かれている。

 5G通信は、Sub-6とミリ波が利用できる。日本国内では、Sub-6はドコモとau、ソフトバンク回線が、ミリ波はドコモ(購入後アップデートが必要)とauが利用できる。なお、auの“既存周波数(3.5GHz帯など)の転用による”5G通信への対応は、今後検討するとしている。

Xperia PROとXperia 1 IIの仕様の違い
Xperia 1 IIのカメラ機能はそのまま

 カラーはブラックのみ、SIMフリーモデルで発売される。