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総務省が「J:COM MOBILE」も規制対象に、KDDIには「正確に報告せよ」と指導

 総務省は、「電気通信事業法第27条の3等のルール」、つまり端末割引上限2万円や、期間拘束契約(縛り)の違約金上限1000円などを定めた法律の対象として、新たにジュピターテレコム子会社(ジェイコム地域会社)などKDDIの関係会社12社と、NTTブロードバンドプラットフォーム(NTTBP)を追加する方針を発表した。1月23日~2月22日まで意見を募集し、その後、正式に追加される見通し。

 また、ジェイコム地域会社が本来は、以前よりも規制対象の企業でありながら、KDDIが報告を怠っていたとして改善するよう指導した。

ジェイコム地域会社とNTTBPの追加

 「電気通信事業法第27条の3等」によるルールとして、携帯電話やモバイルブロードバンドを提供する企業のうち、いわゆるMNO(自社でネットワーク設備を敷設するNTTドコモ、au、ソフトバンク、楽天モバイル)や、MNOの特定関係法人、そしてMVNOのうちシェア0.7%(100万契約以上)を持つ企業が規制対象となっている。

 規制対象への追加が予定される企業のうち、NTTBPについては、新たに移動電気通信役務、つまりモバイル通信サービスを提供するとのことで、指定対象となった。

 一方、ジェイコム地域会社11社と京セラコミュニケーションシステム(KCCS)は、本来、KDDIの特定関係法人で、以前から規制対象でありながらKDDI側のミスで報告がされておらず、規制対象に加わっていなかったため、このタイミングで規制対象へ追加される予定となった。

 特定関係法人とは、MNOの親会社や兄弟会社、1/3の議決権保有など実質的支配にある関連会社などのうち、モバイル通信サービスを提供する事業者のこと。

 追加対象であるジェイコム地域会社は、MVNO型の携帯電話サービス「J:COM MOBILE」を展開している。そのJ:COM MOBILEでは2020年、iPhone SE(第2世代)を実質無料で提供するプランを発表。その際には、特定関係会社ではない、との認識が示されていた。

KDDIへの指導

 KDDIによれば、指導に至った原因は、KDDI社内での解釈に誤りがあったため。

 KDDIと住友商事が50%ずつ株式を保有するジュピターテレコム(J:COM)については、かねてより「特定関係法人」として報告されていた。

 しかしJ:COM MOBILEを展開するジェイコム子会社については、法律上の「特定関係法人」の定義にあたらないと、これまでKDDI側では解釈していた。つまり誤った解釈であったため、報告するに至っていなかったという。同社では、そうした判断に対するチェック漏れもあったとして、今後、改善を進める方針。

 ジュピターテレコムでは「(ジェイコム地域会社が)規制対象となる可能性があることを踏まえ、法に適合したプランの検討を行っているところであり、早急に導入したいと考えている」とコメントしている。