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「Google Earth」生みの親のひとり、マイケル・ジョーンズ氏が逝去

ジョーンズ氏

 「Ingress」や「Pokémon(ポケモン) GO」を手掛けるナイアンティックのシニアエグゼクティブ、マイケル・T・ジョーンズ氏(Michael T. Jones)がガンで亡くなった。Google Earthの原型となるソフトを作った人物で、ともに歩んできたジョン・ハンケ氏(ナイアンティックCEO)が追悼のコメントをTwitterへ投稿した。

 ジョーンズ氏は、ハンケ氏とともに、Google Earthのもととなる「Keyhole」を開発。Keyhole時代にCTOを務め、グーグルによるKeyhole買収後はそのままチーフテクノロジーアドヴォケイトとして、Google Earth、Google Mapの開発を担当した。

 当時、グーグル広報を務めていた人物によれば、Google Earth誕生の背景として、ジョーンズ氏は自身の幼少期の体験があったと語っていたという。裕福とは言えない家庭で育ったジョーンズ氏は、「中国は政府が怖く、人々は幸せではない」と教育されていた。しかし大人になって中国を訪れてみたところ、人々の生活や、子供の笑顔を目にし、教育されてきた内容との違いに衝撃を受けた。そして「その土地に行くこと、それができないなら、世界を見られるようにすること」という考えに行き着き、ジョーンズ氏の“高精細な写真”の趣味とあわさり、Google Earthに繋がっていった。

 2020年には、地理情報サービスの開発への貢献を讃えられ、英国王立地理学会からロイヤルメダルとパトロンズ・メダルの2つが授与されている。

 ナイアンティックの川島優志氏も「この人のようになりたい、と思う人でした。もっと話をしたかった。この人がいなければ、Google Earth はできなかったし、歴史は変わっていた」と追悼のツイートを投稿している。