ニュース

Facebookが「iOS 14」の方針を批判、アップルのクックCEOは「ユーザーが選べるようにすべき」

 Facebookは16日、「iOS 14」で取り入れられた「App Tracking Transparency」の方針について、「アップル(Apple)はこれまで以上に利益を得られるようになるが、多くの無料サービスは課金、あるいは撤退を余儀なくされる。世界中の中小ビジネスが打撃を受ける」という声明を発表した。

 「App Store」でのアプリ配信では、12月14日から、全てのアプリについて、ダウンロードする前にアプリのプライバシー方針が確認できるようになった。15日(日本時間)に配信された、iOS 14.3、iPadOS 14.3から適用されている。開発者は、新たなアプリ、あるいはアプリのバージョンアップ版を提出する際、アプリのプライバシー方針に関する情報をアップルへ提出することが求められる。

 こうした動きに、Facebookは、パーソナライズされた広告に頼る中小規模の企業へ、iOS 14のアップデートは特に痛手を与えることになる、と専用サイトで説明。「中小ビジネスは自社で持つデータを活用した、パーソナライズされた広告がなければ、広告から得るWebサイト上の売上の60%以上を失う可能性があるとわかっている」という調査データを示し、「iOS 14の変更が実行されれば、マーケティング予算が豊富な大企業はテレビ広告の時代に逆戻りする。その状況でもっとも恩恵を受ける大企業こそアップルだ」と指摘する。

 米国メディアによれば、Facebookは、米国内で新聞広告も掲出し、アップルの動きを批判している。

 一方、アップルのティム・クックCEOは18日、Twitterで「私たちは、ユーザーが自分について収集されているデータとその使用方法についての選択権を持つべきだと考えている。Facebookはこれまで通り、アプリやWebサイト全体でユーザーを追跡できるが、iOS 14のApp Tracking Transparencyは、まずユーザーの許可を求めることが必要になるだけ」と説明するツイートを投稿した。