ニュース

IIJ、20年度上期決算は増収増益――コンシューマー向け5G MVNOサービスは検討中

 インターネットイニシアティブ(IIJ)は、2020年度上期決算を発表、売上は1016.6億円(前年同期比+2.5%)、営業利益52.4億円(同+56.3%)、当期利益27.7億円(同+57.7%)となり、増収増益となった。

総括
連結業績サマリー
営業利益増減分析

 コロナ禍におけるテレワーク需要の高まりで、法人向けのネットワークやクラウド、セキュリティサービスが好調だったことが、増収の主な要因。

 インターネット接続サービスにおいても、法人向けの専用線サービスとモバイル回線サービスともに好調だった一方、コンシューマー向けサービス(IIJmioなど)では、前年同期比0.9%減となった。

IIJ代表取締役社長 勝 栄二郎氏

 ただ、同社代表取締役社長の勝栄二郎氏によると、法人向けが好調であることで、MNOに支払う接続料の単価が下がり、結果的に個人向けにおいても増益を期待できるという。

5G通信のMVNOについて

 決算会見での質疑では、現在IIJがau 5Gを利用した法人向けMVNOサービスを実施している。記者からは、コンシューマー向けの5G通信サービスの展開についての質問があった。

 これに対し勝氏は、NTTドコモなどau回線以外も含め、コンシューマー向け5G通信サービスの提供を検討していると回答。ただ、5Gエリアが十分に広がっていないなど、そもそも需要がそこまでないことから、エリアや需要の推移を見ながらサービス開始時期を検討していきたいとした。

UQとワイモバイルの20GBプランについて

 KDDIとソフトバンクは、それぞれのサブブランドであるUQ mobileとワイモバイルから、20GBで4000円台の大容量プランが発表された。

 大容量プランに関して、勝氏は「(IIJは)ライト層がターゲットであるため、20GBプランの登場は、(IIJにとって)そこまで影響しないと見ている」とコメントした。

 また、政府のアクションプランについては、「『3年で5割引き下げ』という数値目標を積極的に取り入れたことは歓迎」とし、一定の理解を示した。

 今後、データ通信量は増加していくため、通信量を引き下げる余地があるとし、接続料など値下げの根拠となるものを明らかにしていきたいとした。

ネットワークサービス