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グローバル市場におけるチップセットのシェアはクアルコムが首位を維持も減少、中国市場におけるハイシリコン製チップセットの採用拡大が影響
2020年11月4日 17:10
香港の調査機関であるカウンターポイント・テクノロジー・マーケット・リサーチは、2020年第2四半期のグローバル市場における、スマートフォン向けチップセットのシェアをまとめたレポートを公開した。
同社のレポートによると、スマートフォン向けチップセット市場は、COVID-19(新型コロナウイルス感染症)流行の影響でスマートフォン市場全体が縮小したことを受け、2020年第2四半期は26%の減少となった。
クアルコムはシェア1位を維持したものの、昨年同期比4ポイント減の29%となった。一方、MediaTekは2ポイント増の26%、ハイシリコンは4ポイント増の16%となった。
クアルコムのシェア低下の要因として、COVID-19流行の影響に加え、米国によるファーウェイへの貿易規制によるものがあるという。ファーウェイは規制をうけ、ファーウェイ傘下のハイシリコン製チップの採用を増やし、結果としてハイシリコンのシェアが伸びたという。
中国のスマートフォン市場では、ハイシリコンのシェアは41%となり、昨年同期比13ポイント増となった。
同社のリサーチアナリストNeil Shah氏は、2020年第2四半期の5G対応スマートフォンの売上は前四半期と比較して倍以上(+126%)に伸び、上半期の市場全体の落ち込みを救済するとともに、2021年に市場が復調するための起爆剤でもあるとした。
リサーチアナリストのShobhit Srivastava氏は、中国の高価格帯端末におけるシェアはファーウェイが4割を握っているが、ファーウェイの後退による隙間をOPPO、vivo、Realme、Xiaomiが狙っており、再びMediaTekやクアルコムのシェアが伸びると予想している。中価格帯~低価格帯では、中国に加え、ロシア、中東、アフリカ市場でも同様の傾向を予想している。
カウンターポイントは、スマートフォン向けチップセットの市場は2021年以降に成長軌道に乗り、5Gが新興国に普及するのと並行して、あと3年は成長軌道を維持するだろうと予測している。