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5Gは2030年までに世界のGDPを8兆ドル増加させる、ノキアの調査
2020年10月12日 15:00
ノキアとノキアベル研究所は、5G関連産業に関する調査を実施し、「5G Business Readiness」レポートを発表した。コロナ禍において、日本の企業や経済の成長にとって5Gは重要な推進力であると評価している。
同レポートによると、コロナウィルスの大流行で中長期的なデジタル投資と価値創造が加速し、5G関連の産業は、2030年までに世界のGDPを8兆ドル押し上げる可能性があるという。
日本企業は、5Gの導入度や投資率で世界平均を上回る
レポートによると、日本企業の5G導入率は8%で、5Gの5段階の導入度のうち、最も進んだ「拡張」段階に位置しているという。世界を見ると、サウジアラビア(13%)、米国(12%)、韓国(10%)に次いで第4位となっている。
また、日本企業の18%が5Gに投資しており、世界平均の15%を上回っているという。これは、韓国の21%、米国の20%に次ぐ水準となっている。さらに、日本企業の50%以上が、今後5年間に5Gの投資を計画しているという。
コロナ禍で5G導入企業は好調
同レポートでは、5G導入企業の業績は、ほかよりも好調と指摘。コロナの課題をより早くよりうまく対処して成長できているという。5Gの5段階の導入度のうち、一番上の「拡張」段階に分類されている企業だけが、コロナの大流行後に生産性が10%増加したとしている。
コロナ禍で、企業はさらにデジタル投資を加速させ、今後3年間で5Gや5G対応技術の採用を加速させると予想している。
日本企業の49%が、コロナ禍でデジタル化を加速しており、41%の企業が、5Gが労働生産性の向上に対して最も望ましい影響を及ぼすと回答しているという。
日本の5G採用の壁
5G導入にあたり、日本に企業では大きな5つの壁があるという。
ひとつは、「エコシステムの利用可能性」が、都市中心部などに限られているという認識があることだという。意思決定者の22%が、都市中心部以外では、利用可能性が限られると回答している。
2つ目は、「5G」そのものの理解が得られていないということ。回答者の19%が、企業の意思決定者が5Gを十分に理解していないことが大きな障壁だと考えているという。また、16%が、自分自身も十分に理解できていないと回答したという。
3つ目、5G導入の優先度が低いこと。27%が、5Gの導入について、現在のビジネスの優先事項ではないと話している。
4つ目は、コストと複雑さで、回答者の22%が必要な技術を導入できる自信がないと回答している。
5つ目は、セキュリティへの不安。回答者の45%が、5Gのセキュリティについて不安に感じているという。
日本の5Gアクションプラン
同レポートでは、5Gの理解、信頼、そして最終的な採用を向上させるために、「規制の改善」「協業」「イノベーションへの意欲」の3つの主要な要因を挙げている。
技術購入者の1/3は、インフラに関する政府の投資や補助金によって、5Gへの投資を増やせると回答しているという。政府や規制当局が、低・中・高帯域の5G周波数帯を、手頃な価格で利用できるようにすれば、より企業の5G導入が促進されるとしている。
また、企業や消費者が現状の課題が、5Gの活用によって改善と解決できる方法を理解してもらうことも大切だという。
そして、企業が5Gを活用するために、大幅に業務を刷新する必要があるという。業務を合理化し、より効果的に監視するために、5Gをどのように使用できるかを検討し、対応していくことで5Gを活用できるとしている。