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総務省、ゆうちょ銀行問題で日本郵政へ要請――情報共有徹底、被害者救済を

 総務省は、ゆうちょ銀行での不正利用問題について、日本郵政にグループガバナンスの確実な実施を求める要請を実施した。

 ゆうちょ銀行では、2020年9月ごろより決済サービス「mijica」ほか連携する決済サービスを悪用した不正な預金引き出し被害が発覚。9月24日に開かれた会見では、本人確認に不十分な点があったとして謝罪した。

武田良太総務相

 総務省の要請では、ゆうちょ銀行の主要株主である日本郵政に対して、グループ内における重要情報の迅速な共有のさらなる徹底、同社によるタスクフォースのキャッシュレス決済サービスに関する総点検、被害者救済の迅速かつ確実な実行のための指導、またこれら措置状況について、10月末日の状況を11月10日までに総務省へ報告などが求められている。

 総務省では、ゆうちょ銀行の不正利用について、顧客本位のサービスの不徹底、情報公開の遅れが被害拡大につながったと見ており、郵政事業への信頼にも大きな問題を生じさせたと指摘している。

 武田良太総務大臣は、2日の定例会見で一連の不正利用問題においてゆうちょ銀行の対応、公表の遅れについて「誠に遺憾」と発言。数年に渡り被害を訴え続けたにもかかわらず、十分な対応がなされなかった被害者が相当数あったことについて、何かあったときにすぐに情報を公表できるシステムの構築、内部の情報共有の強化の必要性を強調した上で「顧客本位のサービスを原点に帰り考え直し、信頼回復に徹底して努めてほしい」とした。